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三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)
 
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三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書) [単行本]

渡邉 義浩
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本人をも魅了し続ける、三国志。しかし、『三国志演義』や、それを下敷きにした小説・ゲームの世界は「虚構」に満ちている。また、「正史」と呼ばれる歴史書の『三国志』も書き手の偏向がつきまとう。本書は、一般に親しまれている『演義』を入り口に、「正史」の記述を検討。そして、史実の世界へと誘う。暴君董卓の意外な美点、曹操が文学に託したもの、劉備と諸葛亮の葛藤―あなたの知らない三国志がここにある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

渡邉 義浩
1962(昭和37)年、東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。現在、大東文化大学文学部教授。専門は中国古代史。三国志学会事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 229ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2011/03)
  • ISBN-10: 4121020995
  • ISBN-13: 978-4121020994
  • 発売日: 2011/03
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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本のタイトル通り、三国志演義が成立した時代から陳寿の三国志が書かれた時代へ遡るという形式で書かれているのが本書の一番の特徴です。
演義を始点に置いていることもあり、一般的な「正史」や「史実」に関する本では語られにくい、「三国志演義が成立するまでの時代」の政治や宗教、思想、文化といった事柄に重点的に触れています。正史を主軸においた本では後漢や春秋戦国時代などに遡りがちですが、この本は各章が演義→正史という順で展開するため、書かれる時代は明・元〜魏晋・後漢末の辺りが中心です。

人物については、毛宗崗本「三国志演義」に置いて「三絶」と称される曹操、関羽、諸葛亮について独立の章を設けて、作品中で特別なキャラクター付けがされた要因を時代を切り取りながら説明しています。

本書のページ数が200程度ということもあり、あくまで上に挙げた「三絶」の比重が大きく、それ以外の人物については作者が他書でも用いる「名士」というキーワードを中心にして比較的コンパクトにまとめられている印象です。董卓、二袁や、周瑜、魯粛の人物像、孫家と呉の四姓についてなどは、個人的に好きな内容ということもあり、倍ぐらいのページ数で書いて欲しいと感じました。

いわゆる「三国時代」の史実に触れると共に、三国志演義(特に毛宗崗本)が完成するに至るまでの歴史に触れることが出来る本だと思います。文章も平易で容量も手頃なので正史に詳しくない人にも読みやすいと思います。演義も正史も好きという人が読めばさらに楽しめる本だと思います。
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三国志学会で研究されている渡邉先生の三国志の概説書です。

内容は、まず羅貫中の『三国志演義』を紹介し、その後に陳寿の『正史三国志』に迫ります。そして史実としての三国志を渡邉先生が、分りやすく解説しています。

最も遅くに成立し脚色が施された『三国志演義』から、史実としての三国志まで時間を遡り、事実を見極め明らかにしていく過程の概説書は他には無いため、三国志マニアでも満足できる内容になっています。
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6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
横山光輝や吉川英治の作品の基になった三国志演義は次から次へと英傑が現れては消えて行く。英傑の多くは大土地所有層出身にして高い知識を修めていた。著者はそれを「名士」と定義し、のちの大貴族制の基盤になったと見る。董卓から二袁、魏呉蜀まで、支配者と名士との関係性を、本書は軸に描いている。

袁紹や劉表、劉璋のように、名士が君主となった守旧的な軍閥では名士を重んじる、というか君主と名士の連合的な政権であり、君主の力が弱く軍事力も弱体化する。一方、魏呉蜀でも名士は宰相を務めるものの、君主は絶対的な君主であり、戦乱の続く後漢末にあっては安定的な政権を確立できたという。

諸葛亮や司馬懿、郭嘉や呂蒙など、いずれも名士階級だった。君主が誰であれ、地域に力があり、統治の経験もあった名士の力なしには当地がうまくいかない。それが南北朝時代の大貴族制への道に至ったのか…と思う。三国志というと、それだけを取り出した「物語」としてしか読まない。だが、中国史の流れの中で捉えた本書の三国志も読み応えがある。
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