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三千年の海戦史〈上〉 (中公文庫)
 
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三千年の海戦史〈上〉 (中公文庫) [文庫]

松村 劭
5つ星のうち 1.0  レビューをすべて見る (1 件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

紀元前のペルシャ戦争からフランス革命戦争に至るまで。主として地中海と大西洋を舞台とした歴史上有名な海戦と海洋戦略の変遷を、臨場感溢れる記述で活写。壮大な「海戦の歴史」前編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

松村/劭
1934年大阪生まれ。防衛大学卒業(2期)。陸上幕僚監部情報幕僚、作戦幕僚、防衛研究所研究員、陸上自衛隊西部方面総監部防衛部長などを歴任し、1985年退職。在職中は在日米軍との共同作戦にも携わった。専門は戦略・戦術研究、情報分析。2010年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 231ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2010/8/21)
  • ISBN-10: 4122053560
  • ISBN-13: 978-4122053564
  • 発売日: 2010/8/21
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 1.0  レビューをすべて見る (1 件のカスタマーレビュー)
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15 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pepe
Amazon.co.jpで購入済み
 海戦に特化した本を読みたいと思った。近隣の書店・図書館に、まったくこの本がないので購入してみたが、1934年生まれの陸上自衛官(防衛大卒)が書いたせいか
「この知識はどこで手にいれたの?戦前?」といった感じ。2010年死去なのに、最近まで生きてた人の本とは思えないほど、勉強不足。

 最も致命的なのは、書名に反して、内容がまったく海戦に特化していないこと。『三千年の海戦史』と題しておきながら、どうも地政学を説きたいらしく、
海洋国家論と大陸国家論が対なのか、結局、国の歴史全般に口を挟んでいる。もっと船のつくりとか、船上で戦う装備の説明や、戦法を知りたかったのに、
各時代まったく記述がないか、間違っていて、図説 古代ギリシアの戦い、塩野七海の『ローマ人の物語』のがよほど詳しく書かれている。

 各海戦の紹介も、図入りで2ページ半〜3ページ。世界の英雄・名将 伝説のバトルと情報の質・量ともに大差ない。
コンビニにあるような歴史本と大差ないとか本当にヒドイ。

 ギリシャからローマまで読み終えたが、図説 古代ギリシアの戦い図説 古代ローマの戦いや『ローマ人の物語』と比べると、
ペルシア戦争・ポエニ戦争の発生の経緯や変遷にも誤りがあるし、歴史的背景も調べ不足や誤りが多く、参考にならない。 
人物に至っては、「オクタヴィアヌスの姉」オクタヴィアを、「妹」と書いてあったりして、高校で習う世界史のレベル以下のところまである。
地政学の本として読むにしても、著者の持論に都合のよいように歪曲してる点が多いので、「海洋国家がそんなに陸地に攻めこんではダメ」的なお説法をされても、説得力がない。

 歴史的資料の収集をせず、歴史家の定説からはずれて、聞きかじりの知識をもとに、軍の動きだけをみて、
勝手な想像のもとに、将軍たちの行動理由を述べているとしか思えない。
 
知りたい時代がはっきりしているなら、その時代の戦争全般を書いた書物のほうが、本書よりよほど海戦に関する記述が多、
人物についても岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典を調べたほうが、情報量も多く正しい知識が身につくと思う。(人名辞典が、各人物にさく、行数などたかが知れてるのに…)
ICBMや無人兵器、空母のある時代にどうかと思いながらも、かつて地政学関係の本も読んだが、この本より、よほど良い。

『図説 古代ギリシアの戦い』や戦闘技術の歴史 1 古代編 3000BC-AD500 (1)がおいてある図書館でも、本書がないという時点で、駄作と判断するべきだった。

海戦の資料として×
歴史書として×
地政学入門として×

--- 以下 詳細 ---
 図説 古代ギリシアの戦い』や、プルターク英雄伝 (潮文学ライブラリー)、『ローマ人の物語』と読み比べて
ペルシア戦争・サラミスの海戦・ポエニ戦争発端について、戦い発端・経過・その後の影響分析で、違和感をおぼえたのだが、歴史家ではなくの元軍人の視点から
分析という点で新鮮さがあったので、そのまま読んだ。しかし、ハンニバルのイタリア撤退理由が「ローマに制海権を取られているので、カルタゴからの支援が受けられず、
スペインからの増援部隊が敗北するや、無念のうちに帰国した」とするあたりで、「この著者のいうことを信じるわけにはいかない」という気になった。

 塩野七海のローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下 新潮文庫)では、
「イタリアに平和を取り戻すことを優先し、アフリカに行って戦いをすることに反対」する元老院を、
スキピオが「敵の本拠地を突くのがいかに有効か」指摘し、説き伏せ、カルタゴ本土に攻め入り、
その結果、カルタゴ政府は(本土での初の会戦に敗北したことで)パニックに陥り、ハンニバルとその末弟に、本国帰還命令を出したのが、
ハンニバルのイタリア退去理由になっている。

 また、『図説 古代ローマの戦い』でも短くではあるが、「スキピオがローマ軍を率いてアフリカに侵攻したため、
カルタゴはハンニバルをよびもどさざるをえなかった」とある。また「岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典」も同様である。

 どの本をみても、スキピオにカルタゴ本土が攻められてから、本国の命令でハンニバルは帰国している。そもそも、塩野七海によれば、ハンニバルは彼の一族が用意した軍勢を率いて
アルプスを越え、以後16年間でカルタゴ本国から補給を受けたのは、(ハンニバルが優勢な時期に)2回だけである。スペインからの増援部隊も11年目に
次弟が率いてアルプスを越えて来たが、戦に敗れ、首だけがハンニバルの元に届くというありさまで、14年目の末弟の進軍も
失敗に終わっている。特に11年目からは、支配地域は狭まり(イタリア半島を長靴に例えると、つま先のみ)、農作物がとれない山岳地域な上に、
支配下にある沿岸都市も、ローマによる封鎖で貿易もできず、食料にも事欠いた。しかし、そんな状態でも、ハンニバル軍は戦えば勝つという精強ぶりだった。
もともと、ハンニバルは、ガリア人を雇ったり、ローマ同盟を解体して諸都市を味方につけようとしたり、本国などあてにしてなかった面がある。
もし、著者の松村氏のいうような理由で撤退したのであれば、ハンニバルはもっと早い段階で引き上げることになっていただろう。

 ハンニバル以外でも新説というか、独自意見が多々あるが、著者は、いずれも参考文献とか引用元を明らかにしていない。
「勝手なことを書いてる」と、アマゾンのレビューやネットで批判されている、塩野七海でさえ、巻末にまとめて文献を羅列してるし、
本文中に、「ラテン語の原文を読むと…」とか、「キケロの手紙には…」と参考にしているものを示してるというのに。

 難点を上げればキリがないのだが、歴史の分析以外にも、兵器や船の紹介もお粗末。アメリカ軍と一緒に共同作戦をしてたという著者は
アメリカ軍と一緒に勉強したせいか、それとも英語で書かれた本を参考書としたのか、英語をその時代の兵器特有の呼び方と勘違いして、そのまま紹介している。

 例えば、「本格的な2段オールの船軍船『バイリーム』は紀元前700年ごろにフェニキア人によって造られた」と本書ではあるが、
二段櫂船なのになんでBI-とか「2」を意味するラテン語由来の接頭語がついてるのか気になって調べて見たら、つづりは「BIREME」で英語辞書にもでて、
英語の和訳は「2段櫂船」でした。おなじく「アテネ海軍の三段オールのガレー船『トライリーム』は最良の性能を誇っていた」と
本書で紹介してるが、これも英語でTRIREMEとつづりTRI-は意味する接頭語、和訳は三段櫂船。

 兵器の説明での、読者おいてけぼり感もすごい。「海戦の戦闘ドクトリン第一次革命」とまで絶賛している「コルヴィス」でさえ、説明は数行、図・絵なし、
設置場所、用法説明なし。―塩野七海はこの装置を「カラス」という名称で、説明に3-4ページ使っている。それによると、ローマ軍が船先に設置した、
敵船への強制接舷するための鉤爪と、歩兵を送り込む橋を兼ねた装置ということになる。

 本当に何から何まで参考にできないトンデモ本でした。
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