昔、商社の三井銀行担当営業員だったので購入した。三井家が越後屋呉服店を
きっかけに財閥へ発展した話しか知らなかった。筆者は歴史を丹念に調べ上げ、
関連する施設へ訪問と取材を重ね、完成までに五年余の年月を費やした。その執
念に魅せられる。
この本は単に三井家歴史の大作にとどまらず、作家である筆者が自ら見聞きし
た事柄を折り込んだ内容が多く、読者を引き込んで面白い。それらは、日本橋の
歴史、三井の名のいわれ、三井家の女たちの内容に現れる。
歴史に翻弄されながらも政府との葛藤を乗り越えた先人達、それを支えた三井家
へ嫁いだ女性たちの努力によって今日の三井グループ発展が築かれた経緯が見事
に描かれている。
三井系グループ企業の人はこの本に関心が高いのは当然だが、それ以外の一般
の人々、経営者、サラリーマン、学生、日本の歴史と財閥の関連に興味ある方へ
お薦めの一冊である。