しばしば「ポストモダニスト」と呼ばれる人々は、自然や環境の問題に
ついて語ることが少ない。少なすぎる。それは、彼らが故意にか無意識
にか無視しようとしている「責任」の倫理を、この問題が導入してしま
うからかもしれない。
そんな中でも、ガタリのこの本は出色の本だ。この本によって、「自
然」と「環境」との違いが明確になるだろうし、その「環境」が単に動
植物のみならず、社会的・文化的環境をも包含していることが理解でき
るようになるだろう。仮にエコロジーの運動をすすめようとするなら
ば、「自然保護」というより、後者の環境、すなわち情報環境も含めた
広義の人間をとりまく社会的-自然的諸関係を、人間の〈生〉を豊かにす
る方向で変容するような多様な実践へと、それが生成していかなければ
ならない点を、本書ははっきり語っている。