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万葉集の精神―その成立と大伴家持 (保田与重郎文庫)
 
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万葉集の精神―その成立と大伴家持 (保田与重郎文庫) [文庫]

保田 与重郎
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は、昭和十五年秋、皇紀二千六百年を祝って東京帝室博物館で開かれた正倉院御物展の拝観をきっかけに想を起し、ほぼ一年で脱稿したのち、同十七年六月に上梓されたA五判五百七十一頁に及ぶ大著である。即ち、天平文化を仏教文化と見倣す一般の風潮を排し、『万葉集』の成立事情からその文化を見直すべきだとする天平文化論の性格をも備えた著者の代表作である。就中、同集の成立に果した大伴家持の役割が、国史の信実を再構築する営為にほかならなかったという一冊の眼目は、何よりも本書の性格を示して、著者の異立を表わしている。古典が持て囃され、国粋が幅を利かす時局とは別のところで、「今日に於て万葉集の最後の読者であるかもしれない」と誌す保田は、自らを家持の孤影に重ねていたのだろうか。

登録情報

  • 文庫: 531ページ
  • 出版社: 新学社 (2002/04)
  • ISBN-10: 4786800333
  • ISBN-13: 978-4786800337
  • 発売日: 2002/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 本書『萬葉集の精神』の初版本は、昭和17年6月上梓された。A5判571頁に及ぶ大著である。著者は奈良県桜井市に生まれ、萬葉集の遺跡を足で歩いて育った。その中で真の萬葉精神を体得した。

 著者は本書において、萬葉集に現れている古典の精神を、現在の文芸の創造という立場から論ずるために、萬葉集の成立を、その詩歌創造の契機から鮮明にしようとしたものである。したがって、萬葉集に現れた歴史の精神を、上代日本人の最高の意識を通じて見るために、大伴氏の異立の歴史と精神に沿いながら、家持の自覚と回想を主題としている。

 防人の歌の指導者としての家持は、最も重大な文学者としての責任を自覚した。彼のような偉大な沈痛なことを自覚した文学上の思想家は、まだ現れていない。永遠な人倫の根底となる神意の保持を素朴に維持した。国の精神を誤らないように大本の思想の確立を考えた。

 家持の歌は非常な孤独を思わせる歌である。彼は時代の先端に身を置きつつ、心の奥で密かに古い歌の姿への情熱に燃えていた。

 古典が持て囃され、国粋が幅を利かす時局とは別のところで、「今日に於て萬葉集の最後の読者であるかもしれない」と記す著者である(雅)
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