Qシリーズの文庫版3作目で、物語的には2番目の事件。
【あらすじ】
主人公、凜田莉子は前作の事件で知り合った雑誌編集者の小笠原から、有名アパレル店の店長が原因不明の営業妨害を受けている事を相談され、調査に乗り出す。
時を同じくして、莉子の店『万能鑑定士Q』には、明らかに詐欺に騙されている母娘を取り戻したい中年の男性に懇願され詐欺を見破って欲しいと学校まで出張を頼まれたが、そこで落第寸前の成績だった娘は何故か英語の追試で満点を取得していた。
この一見何も関係の無いように見える出来事の裏には、実は嘗て『天才』と呼ばれた音楽プロデューサーの影があった……
【感想】
明らかに「小○○哉」をモデルする人物が、犯人役として登場しており、物語の後半は彼の過去の栄光にすがりつく様と、悟り更生する様に焦点を当てられている。
割と早い段階で、犯人が特定される為、彼と莉子との隠蔽と解明の応酬、そして駆け引きと説得が本作の見どころだろう。
正直なところ、シリーズの他の巻と比べてサプライズに欠ける為、ミステリ小説としては少々見劣りする部分はあるが、本シリーズの特色としての情報密度の高さは健在で、話自体は十分面白かった。