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万博幻想―戦後政治の呪縛 (ちくま新書)
 
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万博幻想―戦後政治の呪縛 (ちくま新書) [新書]

吉見 俊哉
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

高度成長の頂点を象徴する大阪万博から数え、二〇〇五年の愛知万博は日本で開催される五度目の万国博覧会である。その間、万博は一貫して、豊かさへの大衆的な欲望と国家の開発主義政策との癒着を可能にする仕掛け―万博幻想―として機能してきた。本書は、こうした「幻想」を広く長く作用させてきた「政治」の場としての万博の内実とその行く末を、国家と地方行政、財界、知識人そして大衆の間に繰り広げられるせめぎ合いに焦点を当てることで浮き彫りにする試みである。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉見 俊哉
1957年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専攻は、社会学、文化研究。東京大学社会情報研究所教授を経て、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 302ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2005/03)
  • ISBN-10: 4480062262
  • ISBN-13: 978-4480062260
  • 発売日: 2005/03
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 263,387位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
望む続巻! 2007/3/17
形式:新書
筆者にとっては『博覧会の政治学』に続いての「万博本」となりましょうか。惜しむらくは愛知万博の開幕にあわせて出した感あり。歯切れの悪い終わり方に、「せめて愛知万博を見定めてから出したかった」という筆者の心情が表れているような気がしてなりません(違うかな…?)万博とは少し違うけど、万博的な国際園芸博である1990年大阪花博が無視されている気がします。大阪花博こそ、バブルの絶頂期にパビリオンをやたらと作った大阪万博の亜流的な園芸博であり、実に日本の万博の特徴を端的に現しているように思うので、そのあたりを論じていただきたかった。愛知万博とあわせて「ポストバブルの万博幻想」という視点で書いていただけないかなあ。もう万博本はおいやですかね〜?(なんかレビューになってませんね)
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形式:新書
本書は「政治学」における貴重な労作である。それも、逆説的なことに
前著「博覧会の政治学」におけるようなフーコー風のそれではなく、
一般的な意味における政治学において。

1、開発主義の終焉と市民参加型のオルタナティヴな政策形成プロセスの
 胎動という歴史的な文脈を、万博という特殊テーマに即して明快に主張している。
2、第4章は、愛知万博をめぐる政治過程の見事なドキュメントである。大阪・
 沖縄・つくばの各万博についての議論と比較すると未整理のように感じるが、
 むしろ当事者としての迫真性に満ちている。
3、「政治学」的にみたとき、万博という主題の設定は極めて斬新であり、
 さらにそのアプローチが持つ豊かな可能性も同時に示している。もっとも
 政治学プロパーの視点に立つならば、おそらく本書は著しく実証的分析に
 欠けるものに映るだろうが、それでも敢えて私は政治学的な意義を
 強調したい。本書のような視点が例えば政治過程論と接合するならば、
 そこには既存の学問分野に囚われない動態的な政治学のフロンティアが
 広がるのかもしれない。
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16 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 メディア論の著者のイメージから、メディア的なアプローチかとおもって読み出すが、何か違う。本書は日本における万博そのものをまっすぐ捉え、万博がどのような過程を経て成立するに至るかが詳しく書かれている。もちろんそこには政治的な力関係も描かれ、深入りはしていないが、国の施策いわゆる全総についても触れて万博と国家との関係を明らかにしている。

 国が未来に求める自己像というものが全国総合開発計画によって現実のものとなっていく戦後日本。万博とは国の開発計画の体現なのであるという。万博は国家によって市民に提示される未来イメージであり、多くの場合それは成功してきた。万博自体の収支を見た場合の成功という意味ではなく未来イメージの提示、市民の間をつなぎとめる共通イメージを植え付けるという意味での成功である。
本書の中では大阪万博、沖縄海洋博、つくば科学博、そして現在(2005)開催されている愛知万博がそれぞれトピックにされている。一番イメージの強いものは大阪万博である。それはまさに高度成長時代、日本に一番元気があった頃であり来場者が6000万人を超えるという大成功を収めたことによる。戦後日本は復活したものと誰もが認められる結果であった。これは市民の見方であるが、国家から見た場合は少し異なるという指摘を吉見はしている。

 大阪万博の源流は1940年にあるのだという。その年は、日本万国博覧会が開かれる予定であった。これは紀元2600年事業であり非情にナショナルな発露によるものであった。ここでの統一テーマは 東西文化の融合 であったが、内実は日本精神を広め世界平和を達するということが公言されるようなものであり、その流れを維持したまま戦後の万博は開かれていく。それが転換した兆しが愛知万博には見られるという。サブタイトルにもある 戦後政治の呪縛 がここにきてやっと解けたのではないかという論旨は明快だ。本書を読んでから愛地球博に行くのもよいとおもえる。

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