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国が未来に求める自己像というものが全国総合開発計画によって現実のものとなっていく戦後日本。万博とは国の開発計画の体現なのであるという。万博は国家によって市民に提示される未来イメージであり、多くの場合それは成功してきた。万博自体の収支を見た場合の成功という意味ではなく未来イメージの提示、市民の間をつなぎとめる共通イメージを植え付けるという意味での成功である。
本書の中では大阪万博、沖縄海洋博、つくば科学博、そして現在(2005)開催されている愛知万博がそれぞれトピックにされている。一番イメージの強いものは大阪万博である。それはまさに高度成長時代、日本に一番元気があった頃であり来場者が6000万人を超えるという大成功を収めたことによる。戦後日本は復活したものと誰もが認められる結果であった。これは市民の見方であるが、国家から見た場合は少し異なるという指摘を吉見はしている。
大阪万博の源流は1940年にあるのだという。その年は、日本万国博覧会が開かれる予定であった。これは紀元2600年事業であり非情にナショナルな発露によるものであった。ここでの統一テーマは 東西文化の融合 であったが、内実は日本精神を広め世界平和を達するということが公言されるようなものであり、その流れを維持したまま戦後の万博は開かれていく。それが転換した兆しが愛知万博には見られるという。サブタイトルにもある 戦後政治の呪縛 がここにきてやっと解けたのではないかという論旨は明快だ。本書を読んでから愛地球博に行くのもよいとおもえる。
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