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万世一系のまぼろし (朝日新書 (026))
 
 

万世一系のまぼろし (朝日新書 (026)) [新書]

中野 正志
5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 756 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

 秋篠宮家の親王誕生で先送りされた皇室典範改正。議論の過程でゾンビのごとく甦った「万世一系」イデオロギーは、実は太古からの遺産ではなく、幕末から明治にかけての体制強化を担う「発明品」だった! 歴史資料を読み解き、女系天皇容認の立場から男系説を批判的に検証。昭和天皇の戦争責任問題にも正面から切り込み、現代に生きる私たちに、天皇制の存在意義とは何かを突きつける、衝撃の問題作!

内容(「MARC」データベースより)

「万世一系」イデオロギーとは、太古から受け継がれた遺産ではなく、近代化日本の体制強化を担う「発明品」だった! 女系天皇容認の立場から、男系説を徹底検証。昭和天皇の戦争責任問題も問い直す、衝撃の天皇論。

登録情報

  • 新書: 215ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2007/01)
  • ISBN-10: 4022731265
  • ISBN-13: 978-4022731265
  • 発売日: 2007/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 165,329位 (本のベストセラーを見る)
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21 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 江口哲学 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
「女系も容認すべきか男系のみにすべきか」と言う問いに対し、答えを見いだせない私は、女系天皇容認の立場をとる著者による本書から、その答えを導く何かが得られるのでないかと思い読み始めたのだが、女系・男系問題の答えの糸口すら得られなかったことが残念である。

例えば、「神武天皇の不在は証明されているのか?」と「記紀の世界は何を映し出しているか?」それぞれにひとつの章が割かれているが、この時代の事実関係が確定されることは当分ないだろうし、神武天皇がいてもいなくても、現在の天皇制の女系か男系かには全く関係ない。

さらに「昭和天皇は戦争責任を感じてきたか?」にひとつの章が割かれているが、昭和天皇が戦争責任を感じても感じなくても、女系・男系問題ばかりか、タイトルの「万世一系」にさえ全く絡んでこない。

著者の皇室典範改正私案でも示してくれれば、本書の主旨が明確になったのではないかと思う。ただ、天皇制を考える上で参考になる部分は多い。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kohhy
形式:新書|Amazonが確認した購入
新聞記者の本質が突出した著作である。何が言いたいのか分からない。責任をとらぬという態度に終始している。「万世一系イデオロギー」を否定しておきながら、その連続性と断続性については答えを留保。自身の立ち位置を明確にしようとはしない。歴史上の人物評価も浅薄に過ぎるし、参考資料に関しても牽強付会と言わざるを得ない。署名なしで記事を発表し一切の責任をとろうとしない新聞記者が著したにしてもひどい本である。題名に騙されてはいけません。
このレビューは参考になりましたか?
39 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
壮大なスケールの天皇論である。

著者は、かつての朝日新聞論説委員を辞めた在野の思想史研究家であるようだ。細部においての疑念は若干はあったが、古代史から現代史、国家論に至るまでのカバー領域の広さ、思想的な公正さにおいて目を見張った。

この本の論点を各章ごとに述べておく。

第一章の「神武天皇の不在は証明されているのか?」は、記紀史観に立つ田中卓説と考古学の成果をもとに、神武天皇らしき人物の不在は完全には証明されていないと述べている。進歩派の学者は反発するだろうが、この指摘はまっとうである。

第二章の「記紀の世界は何を映し出しているか?」では、やや説明が短すぎる気がしたが、記紀史観を逆手にとり、記紀の魅力を述べた鶴見俊輔の指摘が印象に残った。

第三章の「戦後憲法と皇室典範はなぜ、ねじれてしまったのか?」には、全く異論を挟む余地はない。

第四章の「昭和天皇は戦争責任を感じてきたか?」は、天皇の法的・政治責任に関しては、もっと細密に述べられるべきだと思った。とはいえ、少なくとも道義的責任は感じ続けてきたという立証の論理性には、破綻が感じられない。

第六章の「今後、象徴天皇制をどうとらえていったらよいのか?」では、著者は万世一系のイデオロギーを否定しているのに、保守思想の創始者といえるエドマンド・バークの「時間的効力」の大切さを認めており、白か黒か史観から抜け出していて、従来に見られない天皇論を展開しており新鮮であった。

驚嘆させられたのは、「『万世一系説』はどこで生まれ、なぜ、独り歩きしていったのか?」の第五章である。ここで、著者は、一般的には「反動」の思想家とみられてきた山本七平や明治維新を肯定的したと考えられてきた司馬遼太郎の考え方を裏読みし、幕末の尊王攘夷運動は中華思想の亜流だったとみなす。著者の主張は仮説に過ぎない。戦後のアカデミズムは、尊王攘夷思想の形成過程の分析を怠ってきたから、学者たちは今後も著者の分析に目を背けるに違いあるまい。司馬は別な事も言ってきたようも気もする。とはいえ、ここの部分の分析は群を抜いて面白い。

文章は明晰である。短所は極めて手強い内容であることだ。岩波新書の四冊分ほどのデータがつまっており、普段は三時間で新書一冊を読んできた私は、著者の意図を解読するのに一週間かかった。その真意はいかなるところにあるのか? あえて野暮なコメントは避けておこう。

へたに向き合うと、読者は火傷する。マイナス一をつけようかとも迷った。だが、これを超える天皇論はこれまでにはなかったし、今後もしばらくは出るまいと考えて五にした。
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