「女系も容認すべきか男系のみにすべきか」と言う問いに対し、答えを見いだせない私は、女系天皇容認の立場をとる著者による本書から、その答えを導く何かが得られるのでないかと思い読み始めたのだが、女系・男系問題の答えの糸口すら得られなかったことが残念である。
例えば、「神武天皇の不在は証明されているのか?」と「記紀の世界は何を映し出しているか?」それぞれにひとつの章が割かれているが、この時代の事実関係が確定されることは当分ないだろうし、神武天皇がいてもいなくても、現在の天皇制の女系か男系かには全く関係ない。
さらに「昭和天皇は戦争責任を感じてきたか?」にひとつの章が割かれているが、昭和天皇が戦争責任を感じても感じなくても、女系・男系問題ばかりか、タイトルの「万世一系」にさえ全く絡んでこない。
著者の皇室典範改正私案でも示してくれれば、本書の主旨が明確になったのではないかと思う。ただ、天皇制を考える上で参考になる部分は多い。