『学校であった怖い話』を知る方からは正気かと疑われつつ、何だかんだで受け入れられている「学恋」シリーズの一作目です。
舞台は「七不思議の集会」を終え、終業式まで一ヶ月間に迫った鳴神学園、限られた日々を濃い恋模様に向けます。
主人公は男女で選択可能で、かつ攻略可能キャラも同一といわゆる男女兼用シミュレーション。
ですが、案外恋愛要素は低く期待していた方からは肩透かしを食らうかも知れません。
明らかに男女比率が偏っているので同性愛を期待されている方はご愁傷さま、爽やかな友情と健全なお付き合いを堪能してください。
シリーズ全般に言えますが、いわゆるBLはギャグで流されるのがほとんどであります。その逆は案外ガチだったりするのですが。
そうとは言っても今作は第一作目ということもあり、ボリュームは実にささやかなものです。
パラメーター管理は意外とシビアなものの単純にフラグを立ていけば、すぐに個別エンドにまで辿りつけてしまいます。
それでも星を落とさなかったのはシリーズ独自の要素故に。
公式で「恋愛殺戮シミュレーション」と銘打つだけあり、学恋シリーズは死亡エンドがとっても豊富です。
作を重ねるに連れてバッドエンドに磨きがかかりますが、今作は量で勝負。主人公は毎プレイにつき、九割方死にます。
もっとも大半が本筋と関係せず進行する夢オチですが。
その原因、シリーズ独自のランダムイベント「夜イベント」は予測不能な展開をプレーヤーに提供します。
要するにホラーを恋愛シミュレーションに結びつけてしまった前代未聞の実験作、荒削りだけど本質を突いた原石というのがこの作品の本質でしょう。
続く『
学恋2〜運命愛は命がけ〜』は毒とシステムに磨きをかけ、完成された作品。
『
学恋〜愛と呪いとヴァレンタイン〜』は本作のバラエティ具合を煮詰め、ばらまいた発展作です。
正直、一作目はなかなか勧めづらい一品ですので、これらをやった後に興味がわきましたらどうぞ。