粗筋にもあるように「雪の山荘」のアレンジで、豪雨で孤立した集落で起きた連続殺人、それも「七度狐」の演目に出てくる
「だまし」に見立てた「見立て殺人」ものです。
著者の初めての長編本格推理小説らしいですが、なかなか見事な構成でした。「クローズド・サークル」「見立て」に加えて、
名探偵が乗りこめない状況で、ワトスン役が奮闘し途中までは電話で情報をやりとりする「安楽椅子探偵」のアレンジにもなっています。
いろいろな本格テイストをこれでもかと盛り込みながら、落語の芸やそれにまつわる人々の妄執もきっちり描いて、かなりの力作でした。
序盤での謎のちりばめかたも、パターンが様々で、こんなに謎をばらまいて回収は大丈夫かな?と思わせますが、
時代を超える謎なんかもしっかり回収して、お見事です。