まだこのDVDを持っていない方は絶対に買いです。私は以前8400円のDVDを買いましたが後悔はしていません。それよりも世界中の映画人が教科書と崇めているこの傑作が5000円前後で買えるようになったことで多くの人たちに見てもらえることが単純に嬉しい。邦画のDVDの価格を下げるのは難しいと思うが、2枚組みでこの値段なら通常の新作を2本我慢すれば買えてしまいます。
買って見ていただければその面白さは保証付きです。映画史上最高のアクション映画にして日本映画のベストワン。後半の合戦シーンは大迫力。CGなんか使わなくても人と馬のぶつかり合いと名演出でこれだけ迫力ある映画が作れる。野武士の隠れ家の奇襲、村中の罠を使った戦いから、夜間の戦闘、戦略上わざと無防備にした村の裏手の森の頭数減らし作戦、そして雨の中の最後の決戦まであの手この手で工夫されまったく飽きない。
七人の侍や侍集めのエピソードも秀逸で、七人の侍のキャラクターもリーダー(志村喬)、参謀(稲葉義男)、古参(加東大介)、プロフェッショナル(宮口精二)、エリートではないがその場をなごませる人(千秋実)、新人(木村功)、既成の組織からはずれた型破り(三船敏郎)とそれぞれの役割が必要にして十分という見事な人物像であり、実社会(例えば職場の中)でも誰が志村喬で誰が三船敏郎でと当てはめてみたくなる。しかも侍だけでなく、四人の百姓たちの人物像の描き分けも見事だったし、女性像も積極的な志乃のキャラクターは女性を描くのが上手くない黒澤にしては良いキャラクターだった。テレビの時代劇しか見たことのなかった当時、あの髷(髷が真四角に固まっておらず、両横の髪が異常に低い)も斬新でした。
あまりの面白さに3時間半がアッという間に過ぎてしまいます。私にとって生涯のベストワンはいまだにこの作品です。このような優れたオリジナル脚本を書ける映画人は残念なことに今や皆無になってしまっており、製作費を何十億費やそうとも、スター俳優を集めようとも、こんな映画は二度と出来ないのではないでしょうか。