読みながら、これはマジックリアリズムそのものじゃないかと思っていた。
ところが、ようよう半分を過ぎようかという頃になって、
これは知られざる中国の真実を暴く内容なのだということに遅まきながら気がついた。
初版十五万部を売り尽くした後に発禁処分となり、
増刷されないことが決定していることからもそのことが窺える。
脱稿して、作者は自分が味わった絶望と苦痛しか読者に与えられないのではないかと不安に襲われたと言う。
果たしてそうか。
泥人間が辺り一面飛び跳ねる最終場面に、微かながらも希望を感じたのはわたしだけではないだろう。
しかしそれも、結局は読み手側の期待に過ぎないのかもしれない。
現実には政府が責任を認め、事態を収拾しない限り何も変わらないのだ。
それは、愚昧な農民たちも同じだ。
目先の欲望に囚われて売血に応じた自分たちの行動の結果なのだ。
これはまた次世代のことを考えずに、目先の快楽だけを求めて行動するどこかの国のことのようにも思える。
「脱貧致富」の大号令に乗せられて心のエイズに罹っているのは誰なのか、いま一度よく考えてみる必要がある。
与えられた情報を鵜呑みにするな。
わたしたちは、もっと知らなくてはならない。隠蔽されている事実を。