前作で心に傷を抱えた蒼は、高原にある会員制高級リゾートに静養に赴くことになった。季節は6月。心を閉ざしていた蒼がふと気づくと周りは深く、美しい森。
そして森にいたのはユニコーンの影さす少年。
実はその少年は一家惨殺事件の生き残りの、少女だった。
かたくなに少女であることを拒み、『晶』と呼んでくれ、と蒼に語る少女。
蒼は、少年の姿のままの少女に心惹かれていくが、新たに、閉ざされているはずのリゾートで殺人事件が起こり、その被害者は晶の母。彼女は晶の父と同じ方法で殺されていた。
深春と京介が事件に挑むがその真相とは。そして事件が終わった時、京介は謎の失踪を遂げた…。蒼は桜井京介の秘められた過去に望む決心をして歩き出す。
桜井京介の過去への扉を開く作品です。そして、蒼が本格的に独り立ちする時、といえる作品です。
事件に絡む親子関係もなかなか複雑で、例のあの人も出てきます。あのワルイ人。
閉ざされたリゾート、しかも知る人ぞ知る、じゃなくて知る人のない、超高級会員制リゾートは、出入りも登録されていますから(しかも隠された入り口からしか入れません)犯人は自ずから中の人間、となっていくわけです。
「嵐の山荘」パターンというべきでしょうか。いわゆる社交界、という我々庶民に縁のない世界でおこる凄惨な殺人事件。舞台が特殊なのもこの作品の魅力です。
最後の最後に「あーっ」という結末を残して終わるこの作品、次作でどのように展開していくかが楽しみです。