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一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
 
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一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫) [文庫]

佐藤 多佳子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (55件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   高校の最終学年を迎えた新二。入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。
   100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。目指すは、南関東大会の先にある、総体。もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。県の100m王者・仙波、3位の高梨。彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
 部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。

   前2巻の集大成である本書には、大会における競技シーンが多い。そこで読み手の感情を揺り動かすのは、それまでこつこつと積み重ねてきた人物描写だ。1、2巻を読み終える頃、物語の登場人物たちは、もはや他人ではなくなっている。新二の声を枯らした応援につられ、握りこぶしを作って声援を送る読者も多いはずだ。
   その興奮、緊張感は、南関東大会でクライマックスを迎える。若きスプリンターたちが大舞台のスタートラインに立ち、ぞくぞくするようなスピード対決が、いま、スタートする。(小尾慶一) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

商品の説明

第28回(2007年) 吉川英治文学新人賞受賞
第4回(2007年) 本屋大賞受賞

登録情報

  • 文庫: 464ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/7/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062764083
  • ISBN-13: 978-4062764087
  • 発売日: 2009/7/15
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (55件のカスタマーレビュー)
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47 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
青春の風。 2007/7/13
形式:単行本
私、昔陸上競技でインターハイに出場したことあるんです。
彼らと同じように地区大会を戦って。
スプリントではないですが・・・。

そんなリアルに高校陸上を経験したことのある私からしても、この本の臨場感は完璧です。
完璧にリアルです。
描写も感情も全て。

一緒に競い合うライバルはリアルに友達になり。トラックを走る見知らぬ他人を応援します。
トラックやフィールドの上では一人でも、スタンドには応援してくれる仲間の存在がいて、競技者はそれを感じながら戦うんです。

ライバルであっても、怪我をしていれば気にかかり。
大事な時に失敗してしまった彼に、彼女に掛ける言葉に心を砕きます。

三年生、最後のインターハイへの挑戦。
全員が全員いけるわけではなく、誰かが落ちて、誰かが救われる。リアルにそんな世界です。

春高陸上部のように、ポッと出てきた陸上部もあれば、鷲谷のようにそのジャージを着ているだけで道を譲ってしまうような強豪校もあり、それが一直線に並んで学校を、県を、仲間の思いを背負って戦うのがリレー。

リレーは全競技の最後。全ての競技が終わって、トラックやフィールドにはリレーを走る選手以外はいないという状況で走ります。
競技場の全ての視線を集めて走ります。
日は傾き、スッと涼しい風の吹く夕暮れ時。リレーを迎える競技場は、異様な緊迫感に包まれています。あちらこちらに大応援団ができ、興奮しながらその時を待っています。関係ある学校も関係のない学校も見つめる先は、トラックの8つのレーン。リレーを走る4人の選手たちです。

いざ走り始めればそこは、怒号のごとき大声援でいっぱいになり、悲鳴や歓声、正に興奮に包まれます。そしてゴール。一気に大歓声から、「オー」といううねりに変わります。スタンドからは惜しみない拍手が降り注ぎます。同じ競技者からの賞賛の拍手です。
勝ったものだけにではなく、走りきった全ての選手に。決勝で走るとはそういうことです。

リレーの終わった競技場は、興奮の面影を残し、終わってしまった寂しさが漂います。

この本を読み終えた読後、そのリレーの終わった競技場の寂しさをも味わえました。
とことんリアルだな〜、と思いました。

すごい本!本当にすごい!!
スタートからの景色が見えました。レーンの先のゴールが見えました。走っていました。自分が。風をきって。風感じて。

楽しかったっ〜!
そう思って読み終えた。

「面白かった」ではなく、「楽しかった」って、すごい!

陸上経験者は絶対に読むべきです。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シロフォン トップ1000レビュアー
形式:単行本
本書を読んで、縁のない陸上の世界を疑似体験させてもらいました。そして遠くなった高校時代を! そう、これぞ読書の愉しみです。

ブレない、ダレない、読者に媚びない。著者はまったく稀有な作家です。陸上の魅力、高校生たちが陸上にかける日々を、ただただ真っ向勝負で書いています。

安易な説明に流れず、語りと、描写と、身体感覚を通した表現によって、練習も試合も、リレー競技におけるチームづくりも、丹念に丹念に描いていきます。そうやって読者を身体ごと小説世界へさらうのです。だから主人公・新二の成長を、試合の緊迫感を、リレメンの友愛を、喜びや悲しみを、その場に居合わせたかのように味わえる・・・ 

「そこは、言葉のない世界なんだ」と新二が考える場面があります。そのことと、極力説明を排除した本書の手法が重なるように思われます。言葉にならない・できないものを言葉でつむぐ、そういう挑戦をしている小説なのだと感じました。

そしてラスト。正直「あの件は?」「あれは?」という思いもあったけど、新二にとっての特別な日、ただただ身体と光る走路さえあればいい、と感じた日の彼の心に寄りそうことに徹した結果、こういう形になったのだろうと解釈しました。数々のエピソードを収束せず、物語を閉じないで終わらせるのは勇気の要ることでは。ある意味読者に肩すかしを食らわすのですから。そこが著者の媚びない点であり、ゴールが決してブレなかった点だと感じ入りました。(なんて、番外編や続編を出す版元の意図があったりして) それにしても新二のしなやかな強さとしぶとさ、とことん自分と向き合う勇気、健気さには惚れます。三輪先生もかなり好きですけど。

長々と書いてしまいました。「抜群におもしろいから読んで!」それだけでよかったのに!!!
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kaityan
形式:単行本
本屋大賞と聞いて読む気になりました。
最初ベタな青春小説ぽっくて、一巻の途中で投げ出そうかと。
翌日気を取り直し、再度挑戦。
そこらから一気にこちらも加速した感じ。
最後の巻の途中で思わず涙がこぼれました。
知らず知らずに主人公新二の母親みたいな気持ちで読んでいたのかもしれません。
だからお母さんの言葉にぐっときました。

連と新二 この組み合わせの妙 面白いですね。
二人の挫折を繰り返しながらのそれぞれの成長ぶりが楽しみというか、ハラハラ、ドキドキ。
サッカーのスター選手がいる家族、部の顧問、個性豊かな設定など周辺も面白い。

走ること、自分の肉体をより速く走れるように、訓練していくことの過酷さ。
速く走れたときの達成感。
運動オンチが、自分も一緒になって部活しました。

終わり方は賛否両論かもしれないが、全国大会、世界レベル、きりがないほど強力ライバルがいる。
闘いは果てがないし、いつかは限界を知る。
この先もがんばれ、新二!連!で気分よくここで終わるのがベスト。
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