帯によると著者4年ぶりの新作とのこと。
この著者が好きな人なら、迷わずヒッタクる勢いで自分のものにして読むといいです。
3ヶ月連続刊行の3部作ということで、読み終えた今は、なかなか会えない好きなコに次に会える日を待ち焦がれるような、喉の奥がカラカラで手の平が変に汗ばんでどきどきして止まらないような気分です。
(小説が遠距離恋愛の話なのではなく、小説の刊行を遠距離恋愛気分で待っているってことです)
佐藤多佳子という人の本は、普段は前屈しても床に手が届かない位固くなった身体を、ここを伸ばして次はこっちをゆっくり曲げて順序良くストレッチしたら、ほら身体って随分柔らかくなるでしょー?とびっくりさせられるヨガみたいなところがあって、普段は随分厚顔というか図太く鈍感になっていたりもする神経のススを、薄い膜一枚なところまですっきり払ってしまいます。
そうやって敏感になった素直になった神経を、すごい当たり前でストレートなんだけど、良いものとか照れくさいものとか優しいものとか嬉しいものとか痛いものとか切ないものとかで浸してくれて、それらがじんわり沁みてくる効果たるや、奇跡みたいに感じるほどです。
ただ文字で、物語なのに。