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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
京都という街の強さは 一澤帆布の製品の勁さに似ている,
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レビュー対象商品: 一澤信三郎帆布物語 (朝日新書) (単行本)
昔の一澤帆布のトートバッグを2つ持っている。この七年間使い続けてきたが その強靱さには脱帽している。タフな使い方でも形は崩れないし 汚れても洗える。インドネシアに転勤した後も 当地で大活躍中だ。それだけにお家騒動は悲しかったし 信三郎の勝訴には溜飲が下がったものだ。本書を読んでいて感じた点は二点である。 まず京都という街の「強さ」について。信三郎が困難に陥った際に 京都の周りの人々が暖かく手を差し伸べた風景が感動的に描かれている。一体 京都というと 料理やお菓子等に見られる繊細なイメージも個人的には強かったが 実は 正に 一澤帆布のトートバッグ並みの「強さ」があることが良く分かった。伝統を守る職人仕事への支持という面ではおそらく日本でも一番「強い」街なのかもしれない。この京都の強さというテーマが 本書の通奏低音だ。 次に「伝統を守る」という点について。「変化」「チェンジ」という言葉がキーワードになっている最近の風潮の中で「伝統を守る」という言葉にはネガティブな響きがある。「守旧」というような言葉はむしろ非難の言葉ではないだろうか。その中で「伝統を守る職人仕事」をやっていくことの価値が底光りしているような気がした。 実際 これからの信三郎帆布に大量生産を期待する人などはいないだろう。手仕事で丁寧な職人仕事を引き続き続けてほしいと思う人の方が多いと思う。それはそれで 一つのコアバリューなのだ。 敗訴した長男が理解しなかったのは 上記2点に尽きると思う。長男自身は 一澤帆布をビジネスとして伸ばそうとは思っていたのに違いない。但し 手法と精神において 大きな誤解があったということなのだと思う。本書に長男の意見が出てきていない分 想像の範囲には過ぎないのだが(また それが本書を若干平板にしてしまっているが) 読後感の一つとして 僕は そう考えている。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ドラマのような物語,
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レビュー対象商品: 一澤信三郎帆布物語 (朝日新書) (単行本)
老舗カバン店で起きたお家騒動と、伝統を守ろうとする人たちの想いを描いたルポ。まるで良く出来た脚本の昼ドラマを見ているように見事に起承転結がまとまってハッピーエンド!なので読んでいて気分がいい。帯にも「泥沼」「骨肉の争い」なんて入れているあたり、妙にドラマっぽさのある本だ。ただ、信三郎側から一面的に描かれている分、ルポではない。もの言わぬ悪役・長男には長男の言い分があるはず。なので、本書はあくまで信三郎物語として読むべきだろう。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
長男は何が欲しかったのか?,
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レビュー対象商品: 一澤信三郎帆布物語 (朝日新書) (単行本)
京都の老舗かばん店で起きたお家騒動の顛末。先代の遺言書を偽造して乗っ取りを謀った元銀行員長男と、かばん店を切り盛りしていた次男の争いをレポートした1冊。 社会問題に発展した一澤帆布騒動の一部始終を書いています。 次男と、彼についてきた職人たちとの真摯にかばん作りに取り組む姿を通してかばん店再生までの物語が丁寧に描写されます。 最終的に、大阪高裁で逆転勝訴するわけですが、裁判所の判断が当事者の人生を、大きく左右することを痛感させられます。 長男のやり方を見ると、銀行でも同じ様なことをやって借り手を泣かせてきたことが容易に想像されます。 銀行で干されたから、自分の居場所を確保しようとしたのでしょうか? 旧態の自分の家業を発展させた名経営者という名声が欲しかったのでしょうか?
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