現在、メジャーリーグ中継の解説者として、あるいは日本のプロ野球中継をも含む解説者として最も信頼できるのが与田剛だ。毎年、自費で渡米し、メジャーのスプリングキャンプを取材しているという真摯な姿勢や、選手を見つめる温かい眼差しが、示唆に富み、野球への愛情に満ちた解説に結実しているのだろう。研究熱心さは試合の流れやチームの戦術を読み解く鋭い分析にもよく現れている。個性豊かな投手が揃ったWBCのブルペンをまとめるにはピッタリの人材だったと思う。そんな与田がWBCの勝因を現場の目線で分析し、一流と二流を分けるものが何であるかについて言及する。併せて、彼の波乱に富んだ野球人生(星野仙一、野村克也、野茂英雄らとの出会いなど)もたっぷり語られている。面白くないわけがない。「一流とは?」という問いへのシンプルな解答も、彼の真っ直ぐで、熱い生き方を知れば、説得力も増すというものだ。