同著者の『なにをなすべきか?』(国民文庫110)が組織化の必要性を説いたものならば、本作は組織運営の困難を描いたものといえると思います。「指導者」レーニンの苦労は『一歩前進、二歩後退』というタイトルからも読み取れるでしょう。
さて本作で描かれる組織内の幹部同士の対立、若手(本作ではトロツキー)の台頭など部活動や会社など「組織」に属した者なら一度ならず見かける光景だと思います。とくに前者については如何に立ち回るかが成員ひいては組織の出処進退を左右する部分であるだけに、運営者(経営者と置き換えてもいいでしょう)にとって頭を悩ますところだと思います。
本作はロシア共産党の困難を描いたという歴史的な価値はもちろんですが、現在でも組織論・経営学としての価値を薄れていないと思います。「レーニンの著作だから」と毛嫌いせずに読んでいただきたいです。