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126 人中、114人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
新進登山家の功罪,
By 葵 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 一歩を越える勇気 (単行本(ソフトカバー))
その登山スタイル、売り出し方などの面で賛否両論ある登山家・栗城氏の処女作です。
肝心の登山の部分は物足りないのですが、中学生高校生が対象と思われる親しみやすい文体でこれまでの山行を綴り、スポンサーの集め方など彼が配信する動画には出てこないことも触れています。登山に興味がない人たちを取り込んだのは彼の功績ですが、その一方でルート工作やラッセルをシェルパに任せて(動画でもそれを明示しています)置きながら"単独登山"と自称するのはいただけません。 このあたりの事情を詳しく知りたい方は"栗城史多 ラジコン"で検索するとよいでしょう。
103 人中、91人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
真実ではない看板から得られるもの,
By トリ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 一歩を越える勇気 (単行本(ソフトカバー))
栗城さんの本が感動的でそれに影響を受けるのは非常に素晴らしいことですし、誰もそこは否定しません。
登山はルールのないスポーツですし、登りたい人が登りたい時に登りたい山に登りたいスタイルで登ればいいのであり、それに感動するかしないかは人それぞれ自由です。 ただ、このレビューでの本書に対するポイントは「真実はきちんと伝えたほうがいい」ということです。 栗城さんが掲げている「単独無酸素」ですが、登山界の定義を当てはめると、彼の登山は単独無酸素ではありません。フルサポートの登山でベースキャンプ以上でもシェルパによるルート工作、無線により進行・撤退判断、そして酸素ボンベまでシェルパが持って後方に待機です。これは極地法とよばれる登山スタイルにあたります。 ここまで栗城さんが注目を集めるのも彼の掲げる「日本人初」等の看板がひとつのきっかけになっていることは容易に推測できます。それによって多くの方々が栗城さんを知り、彼の本を読み、感動を共有することは素晴らしいと思います。 彼の言葉は共感できる部分が多いですし、困難に挑戦する姿も素晴らしいと思います。大勢の人が彼の生き様に感動していることはまったくもって真実です。 しかしながら、ひとつ認識しておいたほうがいいことは、栗城さんの掲げる看板は登山界における「真実」ではないということです。 昨今のエベレスト登頂では、単独無酸素やら日本人初等のインパクトのある冠が付かないとスポンサーが付きにくいという現状があります。エベレストはすでに登りつくされた山であり、もはや冒険ではないとまで言われています。だからこそ栗城さんは「単独無酸素日本初」というインパクトのある看板を掲げたのではないかと推測しますが、彼の登山内容を見る限りその看板は「登山界の真実」ではありません。仮に彼がこのままのスタイルでエベレストに登頂成功したとしても、日本人初でも何でもなく、エベレスト年間登頂者数約500人のうちの1人としての評価しかつきません。 真実ではない看板をきっかけとして読まれた本から得られた「感動」が、読者の皆様にとって「真実」であればと切に願います。 これから読まれる方は登山のことや単独無酸素のことについて多少知識をつけてからこの本を読まれることを強くお勧めします。 偽りの看板を背負った登山家の本を読んで得られるものが果たして本物の感動なのかどうか。。はなはだ疑問です。
242 人中、212人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
栗城さんの活動について,
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レビュー対象商品: 一歩を越える勇気 (単行本(ソフトカバー))
彼の活動に関して感じることを参考までに以下に記します。
彼が努力の末にやりたいことを達成し、その結果沢山の方たちが感動し、人生に希望を持つことはすばらしいことだと思います。 しかしその活動内容に関する表現のしかたには問題があると感じます。 ”単独” 栗城さんは”単独登山”ということをさかんにアピールしているように見受けられます。 しかし実際のところ本当に”単独”と言えるのか私には疑問です。 登山の世界で”単独”というのは麓(ベースキャンプ)から山頂まで全て一人の力だけで登ることを意味します。 全て一人の力で、ということは無線で他者の指示を仰ぐことも無し、他人の設置したロープを掴むことも無し、もちろん山頂に到達する日以外も全行程、一人で荷物を運ぶのです。 栗城さんは私の知る限りそのようにして登ってはいないようです。 沢山のサポートメンバーから物資の補給を受けながら登っています。 一方で、まったくサポート無しに(しかもより困難な岩壁から)登山を行っている数少ない日本人に山野井泰史さんがいます。 彼は一般社会では無名ですが、登山界では国際的に非常に著名な登山家です。 山野井さんはこんな逸話を残しています。 単独行の下山中、他の登山隊のテントの前を通りかかり、激励がてらお茶をすすめられた時にこう聞いたそうです。 「このお茶飲んでも単独になるかな?」 つまり、他人の用意したお茶を飲むことで他人の手を借りたことになりはしないか心配したのです。 ソロクライマー(単独登山家)が”単独”ということをどれほどシビアに捉えているかお分かりいただけるでしょうか? 参考までに山野井さんの著書を以下に付しておきます。ぜひ一読されることをお勧めします。 垂直の記憶―岩と雪の7章 私は彼の努力を認めます。 8000m峰の無酸素登頂は目新しいことではありませんが、栗城さんはマナスルからのスキー滑降などの成果もあげており、山好きな人間の一人としてたいしたものだとは思います。 しかし間違った表現を使って一般の方々の認識を都合のいいように捻じ曲げてしまうのは賛成できません。 日本にも彼より遥かに困難な登山を実践している無名の登山家が大勢います。 謙虚に、嘘をつかず、困難に挑戦するそれらの人たちを侮辱するような表現は控えてほしかった。 そういったことを踏まえた上で読んでいただけたらと感じました。
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