内容紹介
池袋で働くメガネ屋「オンデーズ」社長が考えていることとは?
「社長という職業に就いた人は、普段、何を考え、何をしているのだろうか」。この疑問から生まれた『一業種一社 社長密着6時間』のシリーズ第2弾は、メガネ業界で活躍している株式会社オンデーズの田中修治社長です。
田中社長は、中学卒業後、看板貼りや飲食店の仕事などで生計を立ててきたという、少し変わった経歴を持っている方です。“密着取材”の中では、田中社長独特の考えや哲学が見えてきました。それらをひとことで表現するのは難しいので、本文から主な話を抜粋します。“田中ワールド”を、少しの間、味わってください。
質問:会社を立て直すとき、どういうことに最も力を注ぎますか?
破産しそうな会社を買って立て直すときに一番力を入れるのは、とにかく「いらないものを捨てる」ということです。人間というのは、これもあれもというように「何もかもやる」という思考回路になるとうまくいかないと思います。“そこに儲かるものがあってそれを頑張ればいい”のに、違うことも同じように頑張ろうとする。これは大きな間違いです。商売は“何をするか”ではなく“何をしないか”です。だから、会社に入ったときに「弱いところ」「強いところ」がわかったら、弱いところは伸ばすのではなくて思い切って「捨ててしまう」のですよ。これがすぐにできない人は失敗すると思いますね。強いところ、得意なところをとにかく伸ばせばいい。そのほうが手っ取り早いのです
(中略)僕がオンデーズを買ったときには、傘や補聴器、コンタクトレンズ、老眼鏡、シニア向け、若い人向け、キッズ向け、ブランドものと、とにかく商品構成がバラバラだったのです。だから、最初にやったことは、傘や補聴器、コンタクトなどのメガネと関係のない商材の取り扱いをやめることでした。その分、売れている商品をきちんとマーケティングして、より厚くしました
質問:起業するときに大切なことは?
僕は、事業計画は詳細に立てますが、いわゆる「ビジネスモデル」については本当に簡素なものしか作りません。起業する前に詳細なビジネスモデルと事業計画を作って、その通り成功した人を見たことがないからです。 考えてみれば、当たり前じゃないですか。ビジネスモデルなんてものを作っても、世の中、その通りにいくわけがないのです。結局、世の中なんて不確定要素の連続で成り立っているのだから、計画通りになんていきません。それに、そもそも企業が存在する目的は「利益を出すこと」であって、「ビジネスモデル通りに仕事をすること」ではないのです。
レビュー
社長密着6時間 中野晴啓社長第一弾に登場していただいたのはセゾン投信の中野晴啓社長です。何故、社長になろうと思ったのか。会社立ち上げのときに苦労したことはなかったのか。事業を広めるために実際に何をやっているのか。ビジネスを進めるうえでのこだわり(軸)は何か。社長を辞めようと思ったことはないのか。社員とのコミュニケーションはどうやって図っているのか。どういう人を採用したいのか。リストラするとしたら、どういう人なのかなど、一般的な質問から答えにくい質問まで、飾ることなく“本音”を語ってもらっています。
本書は、経営上の戦略的な思考法を身に付けるためのノウハウ本でもなければ、経営手腕を磨くための指南書でもありません。その類のものは、専門の書籍にお任せます。 本書が狙っているのは、社長という職業に携わっている人の「頭の中」がどうなっているのかについてを垣間見ることです。そこには、サラリーマンにはない視点や思考がきっとあると思います。それを、ぜひ感じてください。
たくさんの人を養っていかなくてはならない社長という仕事。人の上に立たなければならない社長という職業。本書を読んで、“社長”がどういうものなのかを知り、もし社長という職業に興味を持つ人が現れたら……。それは、実は本書の最大の喜びかもしれません。