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一杯の珈琲から (創元推理文庫 508-3)
 
 

一杯の珈琲から (創元推理文庫 508-3) [文庫]

E.ケストナー , 小松 太郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

音楽の都ザルツブルクでひと夏を過ごそうと国境の近くのドイツ側の町に宿をとったゲオルク。為替管理の制約ゆえにオーストリア側で一文無しの生活を強いられる。そんなある日、コーヒー代も払えず困った彼は、居あわせた美女に助けを求めた……。『消え失せた密画』、『雪の中の三人男』につづくケストナー会心のユーモア三部作。


登録情報

  • 文庫: 161ページ
  • 出版社: 東京創元社 (1975/03)
  • ISBN-10: 4488508030
  • ISBN-13: 978-4488508036
  • 発売日: 1975/03
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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35 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
 「一杯の珈琲から」恋に落ちることがあるだろうか。 ケストナーは「ある」と思わせてくれる素敵な本を書いた。ケオルグとコンスタンツェの恋愛は純粋で優美でしゃれている。大金持ちの一家が使用人に変装しているという設定など奇抜な感もあるが、それさえも素敵に思わせるくらいケストナーの筆の冴えは見事だ。

 舞台は、ドイツとオーストリアの間に国境があった1937年度のオーストリア・ザルツブルク。ドイツでは大金持ちの主人公ゲオルグは、夏休みをザルツブルクで過ごそうとしていた。しかし、この時は為替管理法があったため、ドイツマルクをオーストリアへほとんど持ち出すことが出来なかった。翌1938年度には、オーストリアはドイツに併合されており、小説から時代背景も浮き彫りとなってくる。

 本書は、ザルツブルク音楽祭をテーマにしただけあって、シュトラウスやモーツァルトなどに関するケストナーの博識ぶりもうかがえる。

 また、本書が書かれた頃はドイツはナチス全盛の時代。全編ユーモアの中にも、ケストナーの平和への願いも見られる。例えば、アメリカ人が酒をおごってくれたというくだりの後こう続く。「そんなことをしたら(酒の招待を断ったら)彼は憤慨して国へ帰り、カールとおれのことを礼儀知らずの人間だといって話をする。そしてとかく人間は印象を一般化する傾向があるから、これがもとになって全ヨーロッパを紛糾に導かないとは限らない。今までのいかなる時代にもまして、きょうはこれを回避する必要が…」と。。「一杯の酒から」戦争が始まることもありうるというケストナーの警句とも取れる。その後、第二次世界大戦(1939ー1945)が起こることを考えると暗示的な文章だ。

このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『飛ぶ教室』を始め、児童文学に名作を残したケストナーの恋のおとぎ
話、ラブロマンスの素敵な作品です。話の中に出てくるモーツァルトの
音楽が聞こえてくるような朗らかさ、明るさが全編に流れています。
メールヒェン的で、温雅なユーモアに満ちている、これはドイツ&
オーストリア国境バージョン「恋におちて」。第二次世界大戦が始まる

一年前、1938年に発表された作品です。

ひと夏をオーストリアのザルツブルクで過ごすことにしたゲオルク。
為替の認可がなかなか下りないため、ザルツブルクでは貧乏暮らしを、
国境越しのドイツ・ライヘンハルのホテルでは大名暮らしを送ること
になる。鉄道に乗って一時間と離れていないザルツブルクとライヘン

ハルの都市間を、昼と夜とで往復して過ごそうというわけ。そうして
日を送るようになってすぐのこと、ザルツブルクのカフェで無一文状
態になってしまったゲオルク。立ち往生していたその時、運命の女神
が微笑んだのだった。
という具合にカーテンの幕がするするっと上がって、話が滑り出して

行きます。国境往来をしながらの恋の喜劇の、はじまりはじまり~♪

モーツァルトの音楽が、さあっと流れていくみたいな朗らかさがあり
ます。上品なユーモアがいかしてる、香り高いロマンス小説の逸品で
すよー。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「ドイツ文学」で検索して表示された小説のなかから、
そのオシャレな表題に引かれて購入した。
実はドイツの情熱あふれた小説を期待していたが
(ケストナー作品は読むのは初めて。)
あっさりとした軽いタッチの小説で、ある意味、思惑とは違っていた。

でもそれが悪い評価につながるわけではない。
登場人物も少なく絞り込まれ、
場面もザルツブルク(オーストリア)とライヘンハル(ドイツ)がほとんど。
まるで舞台劇を見るように物語は進んでいく。

そうか、舞台か恋愛映画を見るような感覚でこの小説を読めばいいのか。
しかも発表が1938年なので、現代のゴテゴテした恋愛ではなく、
例えば「ローマの休日」のような、本当に二人でいるだけで楽しい、というような、
キッスだけでドキドキ。ウインクだけでお互いがわかりあえる、といった感じ。
(書いてて恥ずかしくなりました)

この本を読むなら、どこで読むか、も重要。
モーツァルトなどのクラシックのかかる、内装や食器も古風で気のきいた、
おしゃれな喫茶店がいいですね。
注文は、もちろん、ウインナーコーヒー!
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