町工場を営んでいた男性が電車に轢かれて死亡してしまう。
彼は、轢死する三ヶ月ほど前に傷害保険に加入しており、
そして彼には多額の金を必要とする理由があった。
彼の死は、保険金を得るための自殺だったのか。
それとも事故死だったのか。
主人公であるベテラン保険調査員・村越努が、
この謎を解決するために行動を起こす。
良い意味で地味な作品。
ともすると退屈になってしまいがちな物語の展開なのだが、
読んでいて引き込まれたのは作者の力量だろう。
単に読みやすいというだけではない、確かな筆力を感じた。
終わり方がやや慌しいような気もしたが、
逆にいえばムダを削ぎ落としたようにも感じられて、
それはそれで心地良い印象を受けた。
今後の作品も楽しみだ。