本書の売りは、著名な知識人等ではなくフツーのヨーロッパ人や旧植民地出身者が見た、日本と日本人の率直なイメージを記していること。日本びいきもいれば、ステレオタイプにハマっている人もいる。ヨーロッパ人同士が本音では互いにどう思っているかが分かるのも面白い。夫の目を通じたビジネスの現場の描写も興味深い。
人目を引くことを狙ったようなタイトルは少しイヤラシイが、これはオランダでのスリナム人労働者との会話から来ている。彼女は著者の説明に驚愕したそうである。機会あるごとに日本について説明しようと努め、酔って日本への憎しみをあらわにする男にも一歩も引かない著者の姿勢には感服する。
しかし、著者の日本の政治・経済等への理解が時に素朴すぎるのにはちょっとガッカリする。政治や自衛隊に全く関心がなかったのに、サマーワでした活動をもっと早くやるべきだったと言っても説得力がない。著者の頭から湾岸戦争やアフガン戦争が抜け落ちているように見えるのも、ヨーロッパ人への反論を頼りないものにしている。
蛍光灯を暖かみがないと批判する(ヨーロッパでは職場で使うものだそうだ)が、環境面から見直されてきているのはご存じないのだろうか。若いヨーロッパ人への自信満々のアドバイスもちょっとずつズレている。何でもかんでも宅配便でなくても良いのでは?
結局、登場するヨーロッパ人だけでなく著者自身もフツーの人であることが、本書の良さであり限界でもあるのだろう。