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一命 (講談社文庫)
 
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一命 (講談社文庫) [文庫]

滝口 康彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

市川海老蔵&瑛太 主演映画『一命』原作 武家社会の掟と人間性は両立できるのか? 二度映画化され、二度ともカンヌに出品された不朽の名作「異聞浪人記」、「拝領妻始末」など代表作を収録した傑作選。

内容(「BOOK」データベースより)

病床の妻子を置いて家を出た浪人は、なぜ自ら命を絶ったのか?―二度映画化され、二度ともカンヌ国際映画祭に出品された不朽の名作「異聞浪人記」の他、武家における殉死の意味を問う「高柳父子」、家族愛を描く「拝領妻始末」など6編を収録。武士の悲哀を描き続けた時代小説家の傑作選。

登録情報

  • 文庫: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/6/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062770091
  • ISBN-13: 978-4062770095
  • 発売日: 2011/6/15
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 29,249位 (本のベストセラーを見る)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
滝口康彦と言う作家を今まで全く知りませんでしたが、この短編集を読むと、どれも心に沁みる作品ばかりで驚きました。

この中には、「異聞浪人記」「貞女の櫛」「謀殺」「上位討ち心得」「高柳父子」「拝領妻始末」の六編が収められています。
どれも秀作なのですが、「異聞浪人記」「拝領妻始末」は、共に映画化されているだけあって読み応え十分です。
その他の作品も、ミステリアスな作品もあり、楽しく読むことが出来ます。

この六編は、いずれも「時代小説」なのですが、どのテーマも現代社会に通じる作品ばかりで、一層心に残ります。

こんな素晴らしい作品を書いた作家を全く知らなかったこともあって、記憶に残る一冊になりました。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
読み応えのある短編集。
日本映画の傑作「切腹」の原作、「一命」として再映画化される「異聞浪人記」や
同じく映画「上意討ち 拝領妻始末」の原作「拝領妻始末」などを収める。

共通するテーマは、「大きな物語」と個人の物語の葛藤だ。
社会の価値観を支える「大きな物語」の中で押しつぶされていく人々の、
それぞれの物語を丁寧に紡いでいく。
私たちの周りでは「大きな物語」が「正しい」ものとして語られるが、
その陰に、「大きな物語」の圧迫のゆえに、葛藤し、自らの矜恃を保ったために、
不幸や不運を引き受けざるを得なかった人々が、
実は、社会の判断とは異なる「幸い」に生きていたことが明らかに語られる。

「大きな物語」に対峙するためには、
それに上手くはまって「幸せに」生きることを余儀なくされる、
しかも、一度ことがあれば「大きな物語」から拒絶される
私たちの物語を語ることしか方法はないことを
この短編集は改めて思い起こさせてくれる。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
作者生前の短編集より6篇を編んだオリジナル短編集。読後、目次を見返して各篇のタイトルを改めて見ただけで、脳裡に叩き付けられたそのストーリーがくっきりと甦る。どれも名篇の名に相応しい。

「事実、わずか十年のちには、武家諸法度の中に、殉死は古より、不義無益のことにしてと、はっきりうたわれたではないか−。愚かな慣習、古い道徳を捨て去るにも、世間はしばしば、権力の裏づけを要求する。心の底からほとばしった高柳織部の、切実な訴えは平然と抹殺しても、同じことが、幕府という、一つの大いなる権力によって打ち出されると、唯々諾々として肯定したのである。真実は、ただ一人の声であっても、真実に違いないものを−」(本文179頁)。
「こんな時代だからこそ、誰もが繁栄に浮かれていた半世紀も前から、弱者の存在に目を向け、小さな個人の生死など歯牙にもかけない組織の非情を描き続けた著者のメッセージは、ますます重要になってくるのである」(240頁、末国善己氏解説)。

また、収録作中、「貞女の櫛」のおくみや「謀殺」の深雪、「上意討ち心得」の小雪、「拝領妻始末」のいち(お市の方、美崎)にみるそれぞれの女心の微妙さ精妙さの描き方もまた印象に残った。
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