中盤ぐらいから涙が止まらなくて、止まらなくて、号泣でした。
本を読んでこんなに泣いたのは久しぶりです。
内容は…
いい仕事をすることが生き甲斐の主人公が、恋人と一緒に犬を飼いはじめたけれど
仕事に忙殺されているうちに何を愛し、何に愛されているか見失っていく、というもの。
そして、恋人と別れ、犬を一人で育てることになるのだけれど
これまで犬の世話を恋人に殆ど任せっきりだったので
普通にただ世話をするという事が大変で、苦痛を感じ始めた頃
その犬が癌であることが分かり、闘病生活を始める話。
中盤に獣医が言うセリフに胸を打たれた。
以下引用:
「誰にもわからないんですよ。延命治療をしたほうがいいかどうか、なんて。飼い主さんは、少しでも長生きしてもらいたいと一生懸命になる。でも、犬にしてみれば、長いか短いかなんて、問題じゃない。一年間でも、一分間でも、犬の時間は一緒なんです。どれだけ濃い時間を一番好きな人とともに過ごせるか。それが犬にとって、一番大切なんですよ」
「せいいっぱい、可愛がってやってください。この子にもあなたにも、後悔のなにように」
これは、きっと、「犬」だけの事じゃない。大切なことは、全て同じだと思う。
生きいれば、毎日いろんなことがある。
お腹がすけば、美味しいものが食べたいと思うし
休みの日には、どこか行ったことの無い所へ出かけたくなる。
それは、新しく出来たレストランだったり誰かの展覧会だったり、海だったり、山だったり、温泉だったり。
料理がうまくなりたいとか、もっとスタイルが良くなりたいとか、もっといい仕事をして、もっといろんな世界を見たいとか、そんな夢や希望や欲求もある。
誰かに愛されたいとか、誰かを愛したいとか
手に入れたい、と思うものは目に見え手に取れる物ばかりでなく
事象であり、経験であり、気持ちであり、時にそれは相対的な価値を持っていたり
あるいは、自分だけの絶対的な価値であったり際限が無い。
でも、
大切にしたいことは、そんな欲求の、本当に根本にあるものなんだと思う。
何かを強く思う心。何かに対してこだわる心。強く欲する気持ち。
そういうのが、価値のあることであり、例え、希望通りの場所にいけなくても
希望通りのものが手に入らなくても、一喜一憂することは無い気がする。
だから、自分の中にある、熱い気持ちや欲求に、ただ、ただ真っ直ぐに
向き合うことを大事にしたいと思った。
好きだと思う気持ちを大事にしたい。
そして大事な人のことを、ちゃんと大事にしたいと思った。
これは恋愛だけじゃなくて、友だちのことも、家族のことも、仕事のことも
そして、私の大事な、愛犬のことも同じ。
もしかしたら、この本で、作者が書きたかったことは全然別のことなのかもしれないのだけれど
なんとも心が暖かくなり、熱い涙がこぼれました。