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一刀斎夢録 下
 
 

一刀斎夢録 下 [単行本]

浅田 次郎
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

悪鬼の所業と言わば言え。土方の遺影を託された少年隊士と斎藤。二人の縁は慟哭の結末へ。浅田版新選組の真骨頂。

登録情報

  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/1/7)
  • ISBN-10: 4163298509
  • ISBN-13: 978-4163298504
  • 発売日: 2011/1/7
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 14,763位 (本のベストセラーを見る)
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By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
今まで読んだ浅田さんの長篇歴史小説の中で、最高傑作か。

まず、反省から。
自分にとって、『壬生義士伝』は良作だが、続く『輪違屋糸里』は筆が達者すぎて
むしろ佳作以上ではなかった。その結果、やはり、この作家はもっと大きな舞台
(中国大陸とか、国境とか、海の上とか……)で、虚実をもっと超えて描いた方が、
その骨太のエンターテイナーとしての魅力が充分に発揮されると、漠然と思っていた。
だから、新選組に取材した第3作目、つまり本作に、あまり期待していなかった。

それでも本作を開いてしまったのは、今回も、新選組幹部でただ一人、近代日本の
転生に身を置いた実在の剣士・斎藤一が登場、という設定に惹かれてしまったから。
しかも、今回は『壬生義士伝』以上に、斎藤の境遇と、聞き手である陸軍士官との
対比など、残余の陰と、新興の光のコントラストが惹きつけた。

では、結果は?……ただただ、ひれ伏すのみ。
何に?……もちろん、「士道」の本質、「帯剣」の本質に。

そして、それらを見据えた上で、幕末維新と明治草創の逸話を見事に
とり込み、新選組隊士としての「行蔵」と、先輩後輩、同士同輩の意味を、
かくも凄絶に問いかけた浅田文学の風姿に、深くこうべを垂れざるを得ない。
『壬生義士伝』ほど肉親の情愛描写で涙腺を攻撃しない分、いっそう敬服。

『壬生義士伝』のときも、語り口のあまりの巧みさにはまって、読後は、
史上の有名人物をみな、浅田さんの造型に沿って見てしまいがちだった。
本作では、いっそう斎藤一がつぶさに対した(…ように浅田さんが描いた)
彼らの容姿・声音が圧倒的。したがって、今後しばらくは、本作における
(斎藤自身をはじめとする)人物のイメージを思い浮かべずに彼らを
読み解くのは、かなりむずかしくなってしまうかも知れない。

さらに本作では、過去の人物たちの迫力だけではなく、下巻でさらに深まる
(読者もそこに対峙させられる)近代国家の軋みに、畏怖させられる。
作品の背後からまぎれもなく聞こえてくる、軍靴の響きの現実感。

そして読了後も、あたかも無人の一室に無造作に置かれた「抜き身」に
相対するような緊張感が、しばらくたっても、消えない。
この読後感は、浅田さんの筆致にひたすら浸り、「とことん泣きたい」
という方にとってはどうか分かりませんが、自分は、充分満足。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
構想力に脱帽 2011/4/23
思えば、ここで語られた死生観は一連の浅田新撰組に共通するものだと思いました。
「殺すは易く、生かすは難い」
数々の登場人物はこの観念に従い行動し、散っていくからこそ多くの人の感動を誘ったのかもしれません。
そして、この観念は次代を担う者に受け継がれてゆく。

読み終わって、どこかすがすがしい気持ちになりました。

壬生義士伝から親しんだ浅田新撰組ですが、もう一度読み返してみようと思いました。
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4 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
残念な内容 2011/8/6
これまで、浅田次郎は好きな作家の一人だった。勿論、「壬生義士伝」も「輪違屋糸里」も楽しく拝読したし、その筋書きにワクワクしたものである。
振り返って本書である。
斎藤一というテロリスト(異論はあるにしても)を語り手に、新選組、戊辰戦争、文明開化、西南戦争を筋立てしていくのだが、そこに武士としての矜持や死生観を盛り込んでいる。プロットとしては歴史小説が大好きな自分には魅力的ではある。
しかし、書かれている内容は首を捻らざるをえない。
だらだらと続く語りは纏まりがなく、モノローグの限界を感じざるを得ない。本来は幕末3部作の掉尾を飾るはずが、どうにも消化不良を感じる内容になってしまっている。
本当に残念な作品だ。
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