しかし、著者は小説家志望者の夢を打ち砕こうとしているわけではない。この本は、標題どおり「1億3000万人のための」小説教室なのだ。「小説を書く」という作業の前に、「小説の書き方をひとりで見つける」方法を手とり足とり、教えてくれる。
小説は「つかまえる」ものであること。小説と「遊ぶ」こと。まねることから始めること。小説の世界に深く入ること。そして最後に、自分の小説を書きはじめること。著者の後について「小説を書く旅」に出た読者は、今まで気づかなかった小説のおもしろさに気づかされる。書くよりもまず、読んでみたくなるはずだ。そして、著者の教えどおり、まねをしたくなる。
要するに、本書は「小説(を楽しむための)教室」でもある。その意味では、小説家になりたい人が目を通すべき実用の書といえる。音楽を好きな人が音楽家になり、スポーツの好きな人がスポーツ選手になるように、小説を書くためには小説を深く、楽しめることが前提だ。この本を読むと、小説がますます好きになるはず。文章の巧拙やプロット、キャラクターづくりのテクニックを越えた、小説の魅力に目を開かせてくれるからだ。(栗原紀子)
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・書きたいと熱に浮かされている時に書いてもダメ
・小説に書けるのは「本当に知っていること」だけ
・感受性を高め、世界を違う目で見てみる
・とにかく真似てみる
など、小説の技法を説明するという、万人には通用せず、かつ難解なものではありません。
「いかにして書くか」ではなく、さらにそれ以前の「いかにして小説と戯れるか」という皆に有益なことを教えてくれます。
おそらく高橋氏は「小説を好きな人は多いが、小説に好かれる人は少ない」ということよく知っていて、
小説に好かれている人は良い小説家になれると考えているのかもしれません。
高橋氏独特の会話的文体で読み物としても大変面白いです。
「小説とは何か」という部分から問いかけて、
こころで思っていることを文章におこす、ということを1から教えてくれる本です。
文章を書いて何かを人に伝えよう、という思いを既に知っている人には不要の本かもしれません。
今まで文章を書こうなんて思いもしなかった方にオススメしたい。
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