パッと見、派手な飾りなどもなく切り口も地味な写真が
並んでいるためヒキは弱いのですが、実際「お言いつけ」を守って
作ってみたところ、どれもこれも愕然とするほどおいしいです。
ただ、フランス的な乾きぎみの「ケイク」でなく、日本人好みの
カステラ的な食感のものが多いので、前者を好む方にはオススメしません。
特に気に入ったのは材料も比較的入手しやすい「百花蜜のパウンドケーキ」。
実際にはお言いつけはある程度までしか守らず、百花蜜ではなくて
激安・中国産レンゲはちみつで作りましたが、それでも本当においしい。
入手困難な材料は、全体としての割合を守り、作業手順さえ守っていれば
ある程度他のものに代えるなどしても問題ないと思います。
巻頭の「ごあいさつ」で弓田さんが手前味噌ぎみに
「もうこれ以上のパウンドケーキ作りの本が出ることは決して
ありません。絶対の自信です」
と書かれていますが、その言葉に偽りなしの良書。
解説も、本書副題の「嘘と迷信のないフランス菓子教室」の看板に
恥じない的確さで、脱・素人を目指す人には最適と思います。