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一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫)
 
 

一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫) [文庫]

坪内 祐三
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

連合赤軍があさま山荘にたてこもり、宮の森シャンツェに3本の日の丸が揚がった年は、今太閤が列島改造を叫び、ニクソンが突如北京に赴いた年でもあった。高度成長期の生真面目さとエンタテインメント志向の萌芽が交錯する奇妙な季節。3億円事件を知らない世代に熱い時代の息吹を伝える、新感覚の文化評論。

内容(「MARC」データベースより)

1972年。そのとき私は14歳だった-。日活ロマンポルノが摘発され、南沙織が紅白出場、連合赤軍あさま山荘事件が起こった年を知らない若者におくる新感覚の文化評論。『諸君!』連載。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 487ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2006/04)
  • ISBN-10: 4167679795
  • ISBN-13: 978-4167679798
  • 発売日: 2006/04
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 買いです。, 2007/8/1
レビュー対象商品: 一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫) (文庫)
とかく後追いの世代にありがちなことだとは思うのですが、この1972年という年、僕は7才で、連合赤軍の騒動についても微かな記憶があるだけ、しかもそれにはあとからなにかで読んだり見たりした知識やなんかが混在しているかもしれなくて、もちろんその混ぜ物をそれはそれこれはこれと選別できるはずもなく、つまりどこからどこまでがリアルタイムな自分の体験なのか判然としないわけです。ただ、1972年当時、僕が東京の大学生だったとしても、果たしてそこにコミットできたかどうかそれもまた怪しいもので、それはバブルに沸き立っていたはずの80年代後半、東京の大学生だった自分が新聞で目にする以上の実感をバブルという言葉に持ち得ず、もっぱらそれをわき目に(さえしていなかったような気もしますが)古書店通いに勤しんでいた経験からもそんな気がするのですが、同時にまたそんな姿勢が体制寄りだ、ブルジョアだと統括されていたのかもしれませんね(そのへんも。ただ、そうなったらそうなったで、太宰治ばりの素早さで転んでいたかもしれないのですが)。
本書は僕のようなへたれな後追いにも、またそこになんらかの思い入れを抱く同世代の人にも、と書いたところでふと考えたのですが、本書の後半に何度も取り上げられるロック・バンドについては同世代の人たちより後追いの人たちのほうがきっとより身近に、手軽に接してきた人が多いと思うので、靄がかかったような記憶しか持ち得なった後追いの人たちこそが、「ああ、あれはそういうことだったんだ」と靄を晴らすように読むのにもってこいの一冊なのではないでしょうか。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 <坪内スタイル>の同時代史, 2007/2/19
レビュー対象商品: 一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫) (文庫)
1970年代って、評者の与り知らぬ時代なんだけれど、やっぱり興味あります。

60年代ってのは今に至るまで「熱情」の時代の代名詞として語られるけど、

それをサンドイッチする50年代と70年代って、結構イメージしにくい。

そのかたわれである70年代(厳密には、その中でも注目に値する72年)を、

軽快な筆致で回想したのがこの「大作」(文庫にしてはかなり分厚い!)。

なるほど、前著『靖国』の面白さには、正直一歩劣る。というのも、あちらは

靖国神社に興味ない人をひきつける魔力と魅力をもってたんだけれど、こちら

は、どうも「内輪」の、当時青春を謳歌した人むけの盛り上がりに終わってる

感がある。そこがもったいなかったし、著者くらいの筆力ある人には、贅沢な

注文をつけたくもなってしまった。

けれど、難くせはここくらいで、安心して読み通せるのは確か。導入はポルノ

解禁、その後あさま山荘の考察に入り、ロック事情に筆が向き、角栄を扱い、

70年代の親・北朝鮮のメディア事情で話を閉じる。とくに最後の二つの部分は、

連載当時の政治事情や拉致問題とよくシンクロしていて、中々読み応えがあり

ました。

<坪内スタイル>の真髄って、関連なさげな複数の要素を、アクロバットに

絡めていくその手腕にあると思うけれど、この「大作」でも、それは健在。

文庫にしては高いですが、一読の価値はやっぱり大アリだと思います!

※蛇足:装幀は、単行本のときのそれを踏襲してほしかった。一気にダサくなって

しまった…。残念!!
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12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 近い昔の新鮮さ, 2004/1/8
私は71年生まれ。当然72年のことはリアルタイムでは知らない。かといって歴史として取り上げられることもない近すぎる過去である。

高度成長期のピークに生まれ、高校卒業の時に昭和が終わり、大学卒業直前にバブルがはじけて、思想も文学もロックもジャズもアートも盛り上りに乗るには遅すぎており、常に宴の後に遅れてやってきたような間の悪さを味わわされてきた自分としては、今につながる割には意外と知らなかったことが書かれており、何かの答えになるような本であった。

当時の週刊誌の記事を元に、著者自身の少年時代の実体験をからめながら、できるだけ当時の人たちが受けたインパクトのアクチュアリティーを感じ取れるような筆致で、この年の特徴的な出来事を拾っていくのだが、あさま山荘事件、ぴあの創刊、ロックの勃興など単体でも面白いクロニクルとなっている。 

この本を読んだ後、自分でも昭和史年表をひもといて、この続きー80年、90年代の出来事と自分の年譜を並べて作ってみたら面白いだろうなと思った。

坪内さんの本はほとんど読んでいるけど、少し年上で自分よりいろんな本を読んでいる人で、興味の対象や感じ方のセンスが自分と重なるところが多く、はずれなく楽しめる。いまどき希少な現役の「庭の離れに住んでいる、面白いお兄さん」である。

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