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5つ星のうち 5.0
《悲劇》シリーズの第一作,
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レビュー対象商品: 一の悲劇 (ノン・ポシェット) (文庫)
原寮『私が殺した少女』とパトリック・クェンティン『二人の妻をもつ男』のプロットを下敷きに、志水辰夫の文体を目指した、家族悲劇がテーマの誘拐ミステリ。 タイトルの『○の悲劇』は、当然、クイーンの《レーン四部作》に 由来し、『一』は、一人称の叙述形式であることを表しています。 (それ以外にも、《レーン四部作》の第一作『Xの悲劇』同様、 ダイイング・メッセージとしての含みも持たされています) さて、本作のアイデアで最も秀逸なのは、犯人が使ったアリバイ・トリック。 捜査側の盲点を衝くことで、わずかな労力しか 用いずに、鉄壁のアリバイが構築されています。 のみならず、誘拐された子どもの実父で、視点人物である男に身代金を持たせ、 夜の街を車で走らせる行為自体が、犯人が受けた苦しみを象徴的に反復させる 復讐でもあることには唸らされました。 ところで、本作をシリーズ全体から見ると、作者自身が語るように、 前作『頼子のために』の姉妹編にして、アンチテーゼでもあります。 前作で特権性を剥奪された名探偵・法月綸太郎は、今回、他者の 視線に晒されることで、その存在意義が改めて問い直されています。
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5つ星のうち 5.0
どんどん複雑になって行く現代の家族に,
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レビュー対象商品: 一の悲劇 (ノン・ポシェット) (文庫)
名探偵法月綸太郎シリーズ。巻末で作者自身が吐露しているように、プロットや文体にはかなりの模倣はある。これは小説内に出てくる義弟の小説家のセリフの端々にもどこか作者自身の作家としての正直な吐露が感じられる点にも出ている。しかしながらそれを自身で語る法月綸太郎氏は正直にして正々堂々の作家である。そういった要素を加味しても本作は見事な出来映えである。どんどん複雑になって行く現代の家族の形態と、それを形成していく面々の心情を実に見事に表現している点を高く評価したい。プロットや文体よりも、家族を組成している面々の描き切り方が見事だ。 子供とは何か。家族とは何か。正直な自分とは何か、を考える傑作である。
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5つ星のうち 4.0
全く古さを感じさせません,
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レビュー対象商品: 一の悲劇 (ノン・ポシェット) (文庫)
いかにも簡単に犯人を見つけられそうな展開に、途中で飽きそうになってしまいましたが見事に最後は裏切られました。真犯人を読者に予想させ、その度にくつがえされる展開にハマってしまいました。古い作品ではありますが、時代的な(電話やポケベルなど)モノ以外はトリックも心理描写も全てが完璧だと思います。 よく考えられた、非常に奥の深い本格推理小説です。
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