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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ノスタルジックな世界旅行を疑似体験できる本,
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レビュー対象商品: 一〇〇年前の世界一周 ある青年の撮った日本と世界 (単行本(ソフトカバー))
本書は、1905年ドイツ人青年が世界一周の旅をしたときに撮影された写真をもとに、晩年に作成された旅行記である。彼は公務員として安定した生活を送っていたが、決まり切った、退屈な時間が将来にわたって過ぎていくことを危惧し、「非行少年の更生に関する情報収集」という名目で上司を説得し、世界に旅立つ。 飛行機のない時代なので、船でアメリカ、日本、朝鮮、中国、インドネシア、インド、スリランカなどの国を1年半かけて周遊する。 同時期に世界の各国がどのような状況にあったか知ることができ、大変興味深い。 中でも、日本の文化に特に感銘を受けたようで、多くのページを割いて説明されている。 当時の日本は明治の最盛期で、日本で出会った人々を「礼儀正しく、控えめで、偉大な文化をしめす簡素さを持ち合わせた人々」と記述している。そして、日本は生活のすみずみまで芸術が行き渡っており、すっかり魅了されたという。 また、中国やインドでは質素で、貧しさの中にあっても多くを要求することなく暮らす人々と出会ったと述べている。 (しかし、各国の経済発展とグローバル化の波によって、「足るを知る」精神も、独自の文化を失ってしまったように思う。100年の月日によって、世界がフラット化していく感じが見て取れる。完全にそうなる前に、旅をしたいという衝動に駆られる。) 一方、旅の途中で出会った西洋人に対して、「彼らの騒がしい態度、気取った流行の服装、大げさで派手な帽子、けばけばしいアクセサリー」に嫌悪を覚えたようだ。 彼自身、旅を通じて心に根を張っていた西洋中心主義や自分の文化から受け継いだ粗野な部分を矯正できたようだ。 最後に、著者は次のような言葉で締めくくっている。 「試みるだけで立派なことだ。」 「後ろを振り返ると、多くの過ちと怠慢に気づく。しかしそれは必要としたことを行った結果であり、私たちが自由であることをしめすものである。」 これは年老いたときに、若かりし日を思い出し、そして若さゆえの自由という特権を気付かせてくれる言葉だ。 本書を読めば、100年前にタイムスリップして、映画「ニューシネマパラダイス」のようなノスタルジック雰囲気の中で世界旅行を疑似体験することができると思う。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
異邦人気分でページをめくりました,
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レビュー対象商品: 一〇〇年前の世界一周 ある青年の撮った日本と世界 (単行本(ソフトカバー))
1905年から1906年の1年半の期間をかけて世界を旅してまわったドイツ青年のワルデマール・アベグが撮った117点の写真と、彼が80歳を超えてから若き日の旅の思い出を綴った回想録を元に、ボリス・マルタンが解説を施した本で100年前の世界がここに収められています。当時の日本の姿も興味深いですが、アメリカ・ニューヨーク、シカゴ、グランド・キャニオン、朝鮮のソウル、中国(清)の北京、漢口、上海、インドのバラナシの人々の表情や服装、街の景観に目を奪われます。タージマハル、アクバル帝の廟などの観光地もさることながら、何気ない街に佇む人々の姿にワルデマール同様、興味を覚えました。 本書の中心を占める100年前の日本はまさしく「不思議に満ちた世界」でした。ガラス版の写真原版に彩色された写真は、見たことのない古き日本にタイムスリップしたかのような喜びが得られました。東京の風景からも異国情緒が漂います。外国人から見た東洋の神秘・日本のイメージ通りの写真が続きますが、現代人にとってもエトランゼ気分で眺められるように思いました。 別府の2人の芸者の写真が表紙を飾っています。ワルデマールは殊のほか、彼女たちのことを気に入り、生涯自分の机上にこの写真を飾っていたとのことでした。 おいらん道中の写真は貴重ですし、富士山を背景にした写真は今も昔も変わらない見事な景観を披露しています。146ページの見開きの写真はまさしく浮世絵で描かれる日本でした。 朝鮮の独特のつばの広い帽子をかぶった白い衣装の人々や、辮髪を結い、特有の服装で歩く清の人々などは映画でしか見ることのできない雰囲気が漂っています。 186ページの上海の茶館と紹介されているのは豫園ですね。今も変わらない景観がそこにありました。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
表紙の二人は粋な着方をしている、芸者さん,
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レビュー対象商品: 一〇〇年前の世界一周 ある青年の撮った日本と世界 (単行本(ソフトカバー))
とにかく素晴らしいの一言です。日本がやっと電柱を立て始めた、まだ江戸時代の風景そのままのときに、 アメリカでは地下鉄が開通した年で、数十階立てのビル(ビルには水をくみ上げる装置や下水があるわけです。) アメリカが世界一だと思うのも無理ありません。 最初、そういう比較がおもしろかった程度でしたが、この本を90歳の方に見て頂いたところ、興味深いことを教えて頂きました。 本書には単に芸者の2人と書かれていますが、見てわかる理由があり、それは着方が粋だというのです。 着方、髪型でその人の素性がわかる!時代だったというのです。 言われてみれば、身分制度が厳しかった時代だったわけですからね。 他の100年前の日本の本も見て頂いて、そちらでは写真に対する説明が間違っているのを指摘していたり、その説明で 2版を・・・と思う程、いろいろと教えて頂きました。 とはいっても本書は、1年以内の世界の写真です。 世界と比較して当時どれだけ違いがあったのかを目の当たりにできる、数少ない本に違いありません。
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