少尉ガッセを中心とした、WW2まっただなか、バルト海の離島「坩堝島」での「兵器局非常識器材関連開発室」での様々なオカルトと科学の融合した兵器開発物語も、惜しいかなここで完結することに。
著者の西川魯介氏は、クトゥルー通で有名な人物であり、またこれまで輩出してきた著書の中でもたびたびクトゥルーが何らかのかたちで関与してきました。レビュワーも氏の作品の中に棲み潜むガジェットを見つけ出すのが大いなる楽しみであり、今回もざっとらしきものを挙げると、
「ドレスデン標本」「下劣なくちなわ」「アルトノイ原形質」「ニャントロンモ」「造物者の地図」「鍵を守る者」「いと高き喜びの城」とこれは一例です。まだまだあるので探してみてください。直接的な単語でなくても物語的にこれはアレの示唆だな、とにやりとするシーンが山ほどありますよ!
今回、なにやら出自に秘密のありそうなガッセ少尉と、カーリン主任との間がなかなかいい感じに進展しているのですが、二人の恋路はカーリン主任の片思いに終わってしまうのか興味は尽きないところです。
基本はギャグなのに、本質はダーク。それでいてえっち。それらを上手くまとめてしまえるところがさすが西川氏というところでしょうか。この辺りは巻末の解説でナチス+クトゥルー小説に先鞭をつけた朝松健氏が言及されているのでそちらをどうぞ。