「現代」を舞台にした演出の椿姫です。
1幕冒頭、ヴィオレッタがベッドの上で独り下着姿で虚空を眺めている様子は、「愛を受けたことのない者・椿姫」を非常にうまく表現していると思った。
それに続くパーティーのシーンは、オースティン・パワーズDXのパーティーを高級にした感じ。衣装が、パリコレとかに出て来そうな。
僕は椿姫を、ショルティ&ゲオルギュー盤で初めて観て、その印象が強いので、どうしても比較してしまう。1幕の合唱は、もっとアクセントとスタッカートを利かせて欲しかった。ショルティ盤だと、さくさくした演奏が心地良いリズム感を感じさせていたのだが。
アルフレードについては、声の色はいいけれど、声量があまり無くて、迫力が感じられなかった。この点においても、ショルティ盤のフランク・ロパードの方が良かった。
2幕、背景には紅葉した林が描かれていて、舞台上には、枯れ葉、と見せかけてくしゃくしゃになったお札が何万枚も蒔かれている。正直、この札の嵐は何を表現しているのか分からなかった…。
ジェルモン演じるホロストフスキーは、スーツを着てメガネをかけて登場。ビジネスマン風。この人は声量が多いので、アルフレードを圧倒しちゃっていた。
総合して、オーケストラもキャストもショルティ盤のほうが良かったけれど、演出と美術が素敵に素晴らし過ぎるので、☆5つ。