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「失われた時を求めて」全七篇にヴェネツィアのテーマはくまなく浸透している、という鈴村氏の、プルーストと話者における水のモチーフと恋のイメージについての、運河の水のようなゆらゆらと続く語りに身を任せていると、すぐにでもヴェネツィアへ行きたいと思うし、今すぐ当該の箇所を読み返したいという欲望に駆られるが、金銭的にも時間的にもそれが許されない身としては、せめて鈴村氏の写真と文章を堪能し、溜息を洩らすとしよう。
ところで巻末の付録エッセイは蛇足。いきなり「失楽園」っぽいノリになって、いただけませんな。
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