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ヴェニスに死す (岩波文庫)
 
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ヴェニスに死す (岩波文庫) (文庫)

トオマス マン (著), Thomas Mann (原著), 実吉 捷郎 (翻訳)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

旅先のヴェニスでふと出会った,ギリシャ美を象徴するような端麗無比な姿の美少年.その少年に心奪われた初老の作家アッシェンバッハは,美に知性を眩惑され,遂には死へと突き進んでゆく.象徴と比喩に満ちた悪夢のような世界を冷徹な筆致で描き切り,その果てに永遠と神秘を垣間見させるマンの傑作.(解説=川村二郎)(改版)


内容(「BOOK」データベースより)

旅先のヴェニスで出会った、ギリシャ美を象徴するような端麗無比な姿の美少年。その少年に心奪われた初老の作家アッシェンバッハは、美に知性を眩惑され、遂には死へと突き進んでゆく。神話と比喩に満ちた悪夢のような世界を冷徹な筆致で構築し、永遠と神泌の存在さえ垣間見させるマンの傑作。

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5つ星のうち 5.0 ヴェニスのゴンドラ, 2006/7/16
By オハラ翔子 (ボストン・マサチューセッツ) - レビューをすべて見る
「およそだれでも、はじめて、または久しくのらなかったあとで、ヴェニスのゴンドラにのらねばならなかったとき、あるかるいおののき、あるひそかなおじけと不安を、おさえずにいられた人があるだろうか。譚詩的な時代から全くそのままに伝わっていて、ほかのあらゆるものの中で棺だけが似ているほど、一種異様に黒い、このふしぎなのりものーこれは波のささやく夜の、音もない、犯罪的な冒険を思いおこさせる。それ以上に死そのものを、棺台と陰惨な葬式と、最後の無言の車行とを思いおこさせる。そしてこういう小舟の座席ー棺のように黒くニスをにってある、うす黒いクッションのついたあのひじかけいすは、この世で最もやわらかな、最もごうしゃな、最も人をだらけさせる座席であることに、人は気づいたことがあるだろうか。」

マンの「イタリア紀行」です。アッシェンバッハという老作家。タッジオという美少年。作家がこの少年を真夏の炎天下、正にストーカーとなって追いかける物語。ああ、恋とは、そして情熱とはこのように滑稽で悲惨なものである。黒いゴンドラの座席に身を沈めた作家は、棺の中に横たわった死人のように、現実の生活から離れて一息つき、心も体も十二分に安らいでいる。

ヴェニスの風景が美しい。ヴィスコンテイの映画も美しいけれど、多分このオリジナルの言葉の芸術に勝るものはありません。
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22 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 狂気の愛に堕ちる至福の時間, 2003/3/3
地位も名誉も手にした年老いた作家が、少年タッジオという神の作り出した美に魅せられ、狂い、死へ突き進んでいく物語です。しかし、果たしてこれは俗に言われるような破滅の物語なのでしょうか。タッジオに出会ってからのわずか数日は、栄光に包まれたそれまでの彼の生涯より、はるかに幸福なものであったはず。美を解する者が、完璧な美へ出会うこと以上の至福があるでしょうか。さらに、ヴェネチアという東方の香り漂う妖げな舞台まで用意されれば、愛に狂っていくのは必然のように思えます。

本の構成そのものに話を移せば、難解かつ遠回しな表現は多数あるものの、文学のたしなみの浅い私でも十分読み進むことができました。「理解する」というより、むしろ「感じる」作品と言えるのではないでしょうか。「ドイツ文学」という言葉からは取っ付きにくそうなイメージが醸し出されていますが、思い切ってチャレンジすれば、意外と取っ付けてしまえるものです。是非、この名作を幅広い方に読んで頂きたいと思います。

読み終わった後、ビスコンティ監督の映画「ベニスに死す」をもう一度観たくなりました。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 映画を観る前に, 2004/8/3
読むことをお薦めします。
映画の方は、ただ観る分には少しわかりにくいのですが、先に原作を読んでおけば、美しい映像の何気ないシーン、何気ない会話やしぐさなどが、アッシェンバッハの心情を読むにあたって、いろいろな意味を帯びてくると思います。

この作品を読んでて感じるのは「陶酔」でしょうか。アッシェンバッハが美童タッジオに心から心酔させられたように、読者はこの作品の持つ雰囲気やらに心酔させられてしまうことと思います。この陶酔感に関して言えば、映画よりも原作のほうが勝るといっていいです。

映画を観る前に読むことをお薦めしていますが、既に映画を観たことがある人や映画なんて知らないという人にも是非ともお薦めします。素晴らしい文学作品です。

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