既に述べられている批評は、確かに当たっている部分もあると思うが、私自身はこの作品は、ある意味、『ライブ・イン・ボストン』や、『ライヴ・アット・ロイヤル・アルバートホール』に劣らない良い作品であると感じた。
前者の場合、何と言ってもジョン・エントウィッスルの姿を見ることが出来ない。本作を見れば、ジョンの存在感がいかに大きかったかが再認識できる。後者の場合、確かに演奏のバランスやステージの進行のスムーズさはあるのだが、応援参加している「ブライアン・アダムス、ポール・ウェラー、ノエル・ギャラガーら豪華ゲスト」が鬱陶しいのである。「俺は、The Whoを見たいのだ。余計な連中は引っ込んでいろ、邪魔だ!」と思ってしまう。
本作の見所は、ジョン・エントウィッスルの凄まじいまでのベース・テクニックである。自らヴォーカルをとる「マイ・ワイフ」では、ピックと指を使い分けて弾いており、圧巻なのは「5:15」における一つのベースの極限と言えるようなベース・ソロである。
それに、演奏がかみ合っていないとは言うものの、見ていて不快になるほどのものではなく、私の場合、むしろ興味深く鑑賞することが出来た。十分に買うだけの価値があると私自身は思った次第である。客観的に判断するなら星4つぐらいかもしれないが、バランスを考えて、星5つとした。