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ウイングス最大のヒット作にして最高傑作となったアルバム
『Band On The Run』(邦題
『バンド・オン・ザ・ラン』)の興奮冷めやらぬ時期にリリースされたとあって、本作『Venus & Mars』にはすっかり調子を取り戻したポール・マッカートニーの姿がある。再び黄色い悲鳴を浴びる現役ロック・スターとなったポールは、青春の最後の輝きを楽しんでいるようだ。ファンの歓声は常にポールから最良のものを引き出す。そして本作は、より大きな賞賛を勝ち取っている前作と比べても、ほとんどひけを取らない出来ばえとなった。
ポールは自らのお気に入りのテーマである“セックス、ドラッグ、ロックン・ロール、そして結婚”から決して離れないが、「Listen To What The Man Said(あの娘におせっかい)」や「Letting Go(ワイン・カラーの少女)」のような華麗で軽快なナンバーに陽気な卑わいさを加味させる手法からは、彼の自信がはっきりと伝わってくる。「Rock Show」は、ザ・フーの「Long Live Rock(不死身のハードロック)」と並ぶ抱腹絶倒の自画自賛ソングとして70年代を代表するものだ。
本作の楽曲のうちでやや出来の落ちるものは、メロディーとアレンジを事もなげに操るポールの手腕によって救われている。出来のいいものは、ポールが本来の活力を取り戻したことを随所に感じさせる。軽薄で勝手気ままなのに、まったく嫌味がないのだ。ただし、「Crossroads(クロスロードのテーマ)」だけは邪悪な味つけがなされている。(Taylor Parkes, Amazon.co.uk)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
ビートルズの音楽を支えつづけた男,ポール・マッカートニーが,自分のバンドを持った初期の頃(75年)の,かなりよく出来たアルバムである。彼の多彩なポップス感覚が縦横に発揮されていて,バラード系が特にいいが,編曲も素晴らしい。