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ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫)
 
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ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫) [文庫]

ゲーテ , Johann Wolfgang Goethe , 山崎 章甫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の続篇である本書は,「諦念」をテーマとしたゲーテ最晩年の豊かな英知に満ちた作品である.一貫して語られる本筋に,数篇の小さな物語と二つのアフォリズム群をはめこんだ独自のスタイルを持ち,底知れぬ深みとスケールの大きさを感じさせる「大作」である.新訳.(全3冊)

内容(「BOOK」データベースより)

『修業時代』の続篇である本書は、「諦念」を主題とした、ゲーテ(一七四九‐一八三二)最晩年の豊かな英知に満ちた作品である。主筋に数篇の挿話と二つのアフォリズム群をはめこんだ独特のスタイルを持ち、底知れぬスケールを感じさせる「大作」である。新訳。

登録情報

  • 文庫: 266ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2002/2/15)
  • ISBN-10: 4003240561
  • ISBN-13: 978-4003240564
  • 発売日: 2002/2/15
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 156,787位 (本のベストセラーを見る)
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」から数えれば6分冊、「遍歴時代」から数えても3分冊目でようやく本書に到達する。せっかくなら「修業時代」から読み始めたいし読み始めれば次から次へと読み進みたくなるから相応の覚悟をした上で取り組みたい。長編である上に登場人物が数多いから梗概を述べるのは至難の業である。基本的にはヴィルヘルム・マイスターの幼少期から青年時代までの成長をたどる物語と言ってよいだろうが相当部分がヴィルヘルムを欠いた幾つもの挿話から成り立っているから混乱を避けるためには人名のメモを取りながら読むことをお勧めしたい。これらの挿話の登場人物はもちろんどこかしらで主人公へとつながっている。また文豪ゲーテの筆致は融通無碍と言ってよく、この一作品の中にリアリズム、ロマンティシズム、ユートピアニズムが渾然として存在している。

ヴィルヘルムに仮託して著者が追求しているものは自由と真実と言ってよいだろう。ゲーテが生きた時代、海の彼方には「自由の天地」アメリカが開けつつあった。この最終巻において多くの登場人物はアメリカへ渡る。ゲーテ自身はどうであろうか。本書の第1巻7章で登場人物の一人がアメリカと対比させて論じるヨーロッパはゲーテ自身のヨーロッパへの愛着と信頼を語っているように思われる。本書には一貫して古典特有の明るさと大らかさがあり、一つの時代の思想が随所に垣間見られる。そのような美質が、物語として受け取った場合の、とりわけ終りに向かうにつれて広がるかに見えるプロットの破綻を救って余りある。
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形式:文庫
岩波文庫版は上中下の三巻で構成されており、第二、三巻の末尾には各々百数十項目のアフォリズム(警句、箴言)が記されています。アフォリズムは一度で理解できるものもあれば何回読んでもできないものも多くありました。(原文を読めたらもう少し理解できるかもしれません。)
本筋はゲーテの未来への希望とも言える夢が語られています。
教育に関しての理想は今の教育界の実態を顧みれば少なからず当ってはいますが実践するにおいてはあまりにも理想的に過ぎると思いました。(当時では想像できないほど人間は堕落する存在であった!)
また本作品においてゲーテが理想的女性として設定しているマカーリエは私の感想としてあまりにも宗教的な存在ではないかと思いました。西欧の作品にはキリスト教の影響で聖母マリアのような女性に主人公が感化、救済されるパターンが多く、それに違和感を覚えるかどうかで作品に対しての好悪が分かれるような気がします。(現代においてはそのような女性に感化される人間であること自体が素晴らしい存在になってしまった!)
私にとって感銘を受けたのは本筋よりアフォリズムの中で理解できた数編でした。今の汚濁の世でも十分通用する箴言ではないかと思います。
アフォリズムの内、参考までに下記三編に感銘される方は一読を薦めます。

#177 「対立するふたつの意見の真ん中に真理があると言われる。だが、けっしてそんなことはない。その中間にあるのは問題なのだ。それは目に見えぬものであり、静止の状態にあると考えられた永遠に活動的な生命である。」

#137「勇気と謙虚はもっとも曖昧なところのない美徳である。いずれも、偽善の真似のできないものだからである。それに、どちらも同じ顔色で現れるという共通した性質をもつ。」

#139「自己を大切にすることが私たちの道徳を導き、他人を尊重することが私たちの態度を支配する。」

本筋とは別にいくつかの小話も挿まれています。これらの挿話が物語の息抜きになっているとしても作品全体としてはいささか冗漫さを感じました。
しかしながら、これは私の浅薄な理解からの意見であり、作者ゲーテの思想をさらに探求する意志と努力があればそれに見合うだけの多くの知恵を与えてくれる作品であると思いました。
読み終えただけであれば、まさに「学びて思わざれば則ち罔(くら)し」という作品でしょうか。
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