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最も参考になったカスタマーレビュー
15 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
歴史的名著の初の全訳なのだが ...,
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レビュー対象商品: ヴィクトリア朝偉人伝 (単行本)
著者 Lytton Strachey は近代伝記文学の創始者で,1918年に出た Eminent Victorians は次の四章から成っている: Cardinal Manning, Florence Nightingale, Thomas Arnold, General Gordon. この訳本では如何なる訳か Cardinal Manning が最後に置き換えられているが,この措置は不当である.何故ならこの本で Strachey が試みたのは個人の伝記の連作の形をとったイギリス帝国最盛期 (Queen Victoria の時代) の批判的再評価だからである.まずイギリス国教会がイギリス人に与えた解決不能な悩み (これは全編を覆う共通の主題) を野心に燃えた聖職者 Manning と 彼のライヴァル Newman の抗争を軸に描く.次いでクリミア戦争の負傷者救援における陸軍の前近代的病院システムとその近代化を Nightingale の仮借ない闘争を通じて描く.敵は陸軍省.貴族や政府高官たちの教育システムのどうしようもない有様と名門校 Rugby School の改革を Thomas Arnold 校長 (宗教的には支離滅裂) で描写し,最後に帝国の政策決定と実施の優柔不断を Gladstone首相の無責任と General Gordon の凄惨な死によって暴き出す.これでも何とか大帝国が潰れないのが不思議な気がする.翻訳は信じ難いほどお粗末で, 'みたい','してあげる'式の女言葉がまかり通り,the Pope が教皇でもローマ法王でもない'ローマ教皇'と訳される有様.言葉が無力なので,息詰まる Khartoum の防衛戦も一向に凄くならない.歴史家のセンスが不可欠なこの本がこれでは泣くだろう.
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