未成年のヴィクトリアは、次期英国の王位継承者。
ヴィクトリアの母とその愛人は、権力を得るためにヴィクトリアに摂政令にサインさせるように画策する。
絶大な権力をめぐって、母と娘の確執と、後ろ盾のいない王位継承者の孤独を描いた作品。
19世紀の衣装、髪型、家具、装飾品が美しい。
戴冠式、晩さん会、舞踏会のシーンや宮廷内のシーンも見所。喪服のドレスや帽子も、さまざまなバリエーションが見られるので、女性は特にファッションで楽しめると思う。
ヴィクトリアは、自らの意思で人生のパートナー、アルバート公を選び求婚する。
女王をめぐる、王室と議会、首相の座を巡る権謀術数も同時に描かれる。
妻を補佐し、政治的な立場で20年間共同統治して、英国のゆるぎない黄金期を支えた夫のアルバート公。
結婚当時は、女王であるプライドと、女である部分を夫に見下されているのかと、夫の政治的補佐に疑心暗鬼になって喧嘩をするシーンもあって、現実味も加わった。
ラストは、他のレビュアーの方が書かれているように、割とあっさりとしている。
そういった部分を差し引いても、ただのお飾りや操り人形にならずに、政略結婚ではなく、愛する人を選択して、実りある人間・女王の人生を選んだ強靭な意志と、絢爛豪華な王室絵巻は見ごたえがあった。
夫婦での共同統治の政治的な部分が中心に描かれてはいないので、そうした部分を観たい方は、物足りないと思う。
あくまでも、若き日の女王即位前後のヴィクトリアの苦悩と恋と結婚を描いた作品。
夫が亡き後のヴィクトリア女王を描いたJ・デンチの映画で、なぜあんなにも女王がうちひしがれていたのかが、この作品を見てからより理解を深めることができた。