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ヴァーチャル・ウォー―戦争とヒューマニズムの間
 
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ヴァーチャル・ウォー―戦争とヒューマニズムの間 [単行本]

マイケル・イグナティエフ , 金田 耕一 , 添谷 育志 , 高橋 和 , 中山 俊宏 , 土佐 弘之
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,835 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

「人権という大義に依拠し、しかもピンポイント爆撃で敵の殺傷・損傷は必要最小限。自軍の損害はほとんどなし」とされる介入戦争。それを人々はまるで映画を見るかのように「観戦」している。人道的介入戦争のもつ問題を提起。

登録情報

  • 単行本: 306ページ
  • 出版社: 風行社 (2003/03)
  • ISBN-10: 4938662558
  • ISBN-13: 978-4938662554
  • 発売日: 2003/03
  • 商品の寸法: 19 x 12.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 773,895位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
イグナティエフは伝統的英国派リベラリズムの思想史家であり、ジャーナリストとしても高い評価を得ている。本書はまさに彼のそんな二面性をいかんなく活かした著作と言ってよい。

中心的な題材はユーゴ空爆で、様々な人物へのインタビュー、現地での取材、対論などでその実像を克明に描くのはジャーナリスト・イグナティエフならではの技である。
しかしながら、本書はそこでは終わらない。ジャーナリスティックな文章の中で、ユーゴ空爆が近代市民たる我々に投げかける根本的な問いを織り込んでいく。すなわち、究極的には自らの命を投げ出して国家を守ることを前提に成立していた近代市民社会は、ユーゴ空爆に始まった「仮想の戦争」(戦争がテレビ報道され、一般市民は危害の及ばない所から映画を観ているような感覚の戦争)の時代において如何に成立しうるか。

ユーゴ空爆に関する文献は多々あれど、このような近代市民社会の成立原理を揺るがすような事件であったことを教えてくれる本を、私は他に知らない。

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By bons VINE™ メンバー
形式:単行本
1999年のユーゴ空爆は、NATOの戦闘員のリスクを最大限回避することで死者を0に抑えたという点で、歴史上に類を見ない画期的な戦争であった。しかし、この空爆はきわめて本質的な二つの問いを生み出したと筆者は考える。

一つは、自らのリスクを限りなく無にすることでしか守ることができないものに、どれだけの価値があるのかという疑問である。精密誘導兵器は標的を区分することを可能にしたため、国家が人道性を理由にして介入をすることを道徳的に容易にした。しかし、精密誘導兵器は万能ではない。誤爆もさることながら、精密誘導兵器だけで意味のある軍事的効果を出すことはきわめて難しい。ある価値を守るために武力を行使せねばならないとすれば、それは陸上部隊の展開も含めたリスクを背負うことが求められているのかもしれない。

もう一つは、武力を行使するにあたってのリスクが少なければ、武力行使を抑制するための条件とは何であろうかということだ。軍事力の非対称性は、正戦を遂行しようとする超大国の介入を押しとどめることができない。筆者は人権を保護するための最後のよりどころとして武力を行使することを容認するが、「人権」という言葉を切り札にして介入を正当化することには慎重を要すると論じている。価値を基盤にした正戦論は、介入側の行動を無制限化する恐れがある。

筆者はユーゴ空爆が始まる前後、現地に足を運び、「ヴァーチャル・ウォー(仮想の戦争)」を自らの目で見ることで、「リアル・ウォー(現実の戦争)」の側面に注意を払うよう心がけている。インタビューとルポルタージュを合わせることで、本書からは現地の様子がリアルに伝わってくる。日本ではほとんど議論されない正戦論について、深く考えさせられる本であった。
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