これは面白いです。小さなレコード店から始めたヴァージン・レコードが
航空事業に進出するとき、ブランソン氏自身がボーイング社の代表番号に電話して
航空機を買いたいと言った話や、ヴァージン・コーラを発売して、コカ・コーラ
に戦いを挑んだ(そして失敗した)話、破綻したノーザン・ロック銀行を救済しようとした
舞台の裏側など、(ちょっと常識をはずれた)興味深い話が盛りだくさんです。
そして何よりも、音楽、航空、通信、鉄道と多岐にわたる事業の中に共通して
流れる「ヴァージン・ブランド」(=ある種のライフスタイルのブランドと言っても
良いでしょう。いつも丁寧に扱われる、リーズナブルな価格で最高の製品・サービスが
得られる、期待以上に楽しい買い物になる、新鮮で、驚きがある、etc.)
が何なのか、どうやってそのブランドを創り、維持しているのか、
その秘密をブランソン氏が平易な言葉で、語ってくれます。
リチャード・ブランソン氏というと、派手な演出・露出から色眼鏡で見られがちですが、
この本を読めば、180度、見方が変わります。(私のように)
彼は20世紀を代表する起業家であり、経営者と言っても良いでしょう。
会社の規模が大きくなっても、会社の方向性を見失わず、イノベーションを続ける、
失敗を恐れる文化を排除する仕組みなど、ヴァージン独特の経営スタイルには、
新しい時代の経営を予感させるものがあるように思います。