この本を知ったのは、ハヤカワSF文庫の『ミッドナイトブルー』三部作を読んだからでした。この魅力的な女吸血鬼にして、吸血鬼ハンターである彼女の世界は、『ヴァンパイア・ザ・マスカレード』というTRPGをもとにしたものだと、友人から教えられたのです。
ゲームとして、自分で吸血鬼や、吸血鬼を狩る者を演じてなりきって、楽しむためのルールブック、それがこれです。ただ、それを知った当時は膨大な追加設定資料集や、シナリオ集が多すぎるために日本語版はまず出ないだろうと言われていました。
けれどようやく出てくれました、日本語版!
仲間といっしょに、右手に鉛筆、左手にサイコロ、吸血鬼達の(そしてヴァンパイアハンターたちの)闘争を演出して遊べるのです。この楽しさは、押しつけシナリオばっかりのプレステゲームや、結局向かい合うのはディスプレイ画面だけのオンラインパソコンゲームとは違います。そこには、生きた人と向かい合い、皆で協力してひとつの物語をつくりあげていく楽しさ、知識と感性をフルに活かして自分のキャラを動かし、ほかの仲間と協力したり反目したり、そういう楽しさがあります。
コウモリマントに霧の体、といった伝統の吸血鬼から、革ジャンにサングラスの現代っ子吸血鬼まで、すべての吸血鬼ファン、ゲームを愛する方におすすめです。
少々本は分厚いけれど、それこそはあなたのキャラを魅力的に演出するための知識の山。資料集として持っておくだけでも、一読の価値ありです。