作者マーセデス・ラッキーの本を読んだのはこれが初めてでしたが、その独特の世界にすぐに引き込まれてあっという間に上下とも読んでしまいました。ヴァルデマール王国という架空の国を舞台に繰り広げられるこのファンタジーは子供だけでなく大人でも充分に楽しめます。この王国には馬によく似た動物、神馬<コンパニオン>がいて、王に仕える<使徒>を選ぶのはこの神馬です。王国の辺境に住む少女、本書の主人公タリアは神馬に選ばれて使徒となり、王国を守る任務に就きます。何も知らなかったタリアがいかにして立派な使徒となり、様々な困難にもめげずに活躍していくかが生き生きとした筆致で描かれています。ヴァルデマールという国は作者の心の中に、子供の頃からずっと存在していたのではないでしょうか?現代とは違った様々な価値観を持つ人々が登場し、サーガのように織りなされていく壮大な物語の一部です。