世界の傑作機スペシャル・エディション(豪華本)を想起させる、1機1冊【
ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1バルキリー 宇宙の翼 VF-1バルキリー Vol.2 108ページ予告では VF-4 / VF-3000 / VF-5000 と、ついに3機種で1冊の体裁(「希望の翼」編)も予定 】で徹底的に航空機としての可変戦闘機(VF)を追求する、このシリーズも遂に3冊目。
バトロイド形態時の変形時の部品構成に幾分無理があったり、ガウォーク形態で「腕部とその基部が主翼の直前に位置する」など空力的にも原設計自体に無理のある不可解な構成の YF/VF-19 ですが、一方でステルス性重視の現実の20世紀末から21世紀(1990年-2010年代)の戦闘機の開発風景の中にあって、敢えて前進翼という特徴的な選択と機体の構成が、3年後に初飛行した「スホーイ47 ベールクト」に酷似していたりと、その先進性そのものは現在でも衰えていません。
この辺りのいかにも架空機らしい大胆なデザイン構成が後に
ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-25メサイア 新たなる救世主とその前進翼版である「VF-29 デュランダル」に繋がっていく過程を考えると興味深いものがあります。
本書は公式設定ではなく、あくまでも「図書番号」(ISBN)が付いた、書店で購入可能な同人誌であり、そのことは書籍内でも謳(うた)われています。
架空のマクロス歴史の創作には批判あることも承知していますが、架空社会の歴史本、同・航空戦史本としても、西暦2037年9月の「スピカ事件」(12万隻の基幹艦隊に遭遇、VF-11C、VF-14を用いて足止めに成功し、市民2万人を貨客船で避難させるも守備隊は1時間後には壊滅、スピカ3も焦土となる。)、2041年12月14日のロジェ事件(VF-19Aとフォールドブースターの真価が試された、帰化ゼントランの内通による数千隻規模ゼントラーディ艦隊遭遇戦)など悲劇性を感じさせながらも壮観(スペクタクル)な歴史読本の演出に成功しています。
ガウォークやバトロイドの記載がオマケ扱いな面も、航空機としての側面を描きたいが故の思い切りの良さと私は判断しました。 派生型も変形機構を排除した要人輸送機 VC-19V VIPカリバーなど、AVFならではの特性を踏まえた展開が為されており、価格分だけの価値はあると思います。
しかしながら「可変」する航空機(ロボテック用語でいう統合可変技術 " VERITECH " )としては、ほとんど触れられておらず、その高価格を考えれば、前記のとおり航空機形態以外の他の2形態の変形部品構成に無理があるのを承知で、こじつけでもよいから考察を加えて欲しかったのが残念な点で、その分を差し引いて星3つとしました。