個性の強い演奏なので、初めは馴染めなかったらしい。
実はお蔵入りの場所に置いてあった。ふと、取り出して聴いたら!
何という魅力。音色の魔術。すっかりとりこになってしまった。
練木繁夫さんのピアノも上手で満点なサポートぶりだ。
思わず一緒に口ずさみたくなるような歌い回し。
自在で、しかもツボをわきまえた、心憎い乗りの良さ。
ヴァイオリンを聴く楽しさを目一杯提供してくれる。
亜麻色の髪の乙女。こんなに躍動感のある、情感あふれる
少女だったかしら?とびっくりした。
とっても気に入ったのが「愛の挨拶」。茶目っ気たっぷりで
大人の色気と言うしかない魅惑的な挨拶を送られて、
僕は目まいでクラクラしてしまう。
また、チゴイネルワイゼンの猥雑なまでの、悩ましさ。
しかし、少しも下品にならないのがすごい。
鬼神・ハイフェッツのが大好きだったが、別の世界にある
しかも、同格の名演だ。
どの曲を聴いても、他の人とは違うのに、どれも素晴らしいと
言いたくなる解釈が聴ける。素晴らしい1枚だ。
ただし、一度は教科書的な演奏を聴いてからにした方が良いかも。