本誌は英「エコノミスト」誌が毎年末に刊行している次年度の情勢予測ムックの日本語訳。
ページ構成としては、やはり、世界各国の来年度の情勢関連の記事が半分近くを占め、ビジネスや金融関係の記事も充実している。
なお、予測はあくまでも予測であり、魔法の水晶玉ではないことを本誌内でも主張(119ページ)しており、事実と異なることを主張する点がある(たとえば、北朝鮮の指導者の死亡は予測できていない等)。
しかしながら、現在得られている情報を積み重ねることで、将来における確度の高い予測はある程度は可能であるので、少なくとも、本書で書いてある程度の世界情勢の知識は、欧米知識人の最低限の知識として、読んでおくことは有用であるように思われる(エコノミスト誌の読者層を考えれば、その知識共有の有用性は言うまでもない)。
個人的には、「倹約は素敵だ」(36ページ)と、「科学も「倹約の時代」に」(132ページ)等のような「倹約」というキーワードに興味を持った。
モノづくりは続けるが、「倹約」しながら、いわゆる第三世界をマーケットにすることが、2012年の王道のような気がしてくる。
いつまでも、既存のマーケットばかりを相手にしてもパイは増えず、新たな市場を開拓する必然が、裏から読めるような気がする。
なお、本誌の一部記事は英語版サイトで読むことができるので、確認してみるのも面白いかもしれない。