この宇宙にはもうひとつの次元「余剰次元」があるという、最新の理論物理学を紹介するのが本書。とはいえ、前半の大半はニュートン力学などの古典物理学から相対性理論、素粒子物理学、そしてひも理論にいたる現在までの一連の理論物理学、実験物理学の発展と軌跡の紹介に費やしているのだが、これがめっぽう解りやすく、面白い。物理学の歴史がひととおりおさらいできる仕組みになっているのだ。これだけでも本書を読む価値があるというもの。そのあと後半で著者の研究テーマ、余剰次元の話しへと移る。古典物理学と最新の余剰次元理論をどう整合性をつけるか、内容は興味深い。
「数式を一切用いない」という宣言どおり、出てくる数式は、かの「E=mc2」のみ。
宇宙論に興味のある方ならまさに1冊で2度おいしい本。損はしない。