男性にとってもなかなか示唆に富む内容も多く、特に辰巳渚さん執筆の第1章は参考になりました。ただ、本書をはじめ、ワークライフバランスを主張する多くの方がいわゆる「できる(=優秀な)」女性であるためか(ご自分が)残業をせずに一定の成果を出していることを自慢しているように感じます。そのためか持てる能力をいかに発揮するかという観点での議論が中心になってしまっています。男女を問わず、さして能力など無い普通の労働者すなわち弱者にとってのワークライフバランス論が語られるべきではと感じます。
また、ワークライフバランス論は、単に労働時間を減らして「家族団らんの時間を持とう」という趣旨ではなく個々の労働者に生産性の向上、付加価値の高い仕事を不断に求めるという厳しい側面があることをもう少ししっかり指摘しておく必要があるように感じます。