前作マジックの路線を踏襲し、ボス流ウォール・オブ・サウンドの一つの完成形でほぼ全体が構成された傑作だ。CDでは特にM2、3、4、6、8、10〜13に心惹かれる。勤労者の日常とささやかな恋心を歌ったM4は短い映画のようにイメージを喚起するし、お前のおかげで幸運な一日と歌うM2、夢を追い続けていると歌うタイトル曲M3等、明るいポップなメロディーと希望に目を向けた歌詞には励まされる。アコギの曲M12は明らかに亡きダン・フェデリーシに捧げられた曲で、アルバム中のボスの哀悼の言葉とともに泣ける。M13もアコギの曲だが、復活ミッキー・ローク主演の映画の主題歌。ボートラという位置づけだが、立派に本CDのラストを飾る。陰のあるその他の曲も聴き応えがある。是非大きなヴォリュームで音の厚さの快感を味わって欲しい。オバマ氏の大統領就任を祝うように前作から短いインターバルでこのような心に届くメッセージを発信する偉大なアーティストのいる国、アメリカ。やはり底力を感じる。
DVDは全部で約40分。音はリニアPCMステレオ。最後の曲が完全なPVである以外はCD収録曲のスタジオ録音風景が主で、イメージ映像が重なる部分もある。変にインタビューを入れたりしておらず、アイデアや指示を出すボスの雄姿を目にするだけで満足する。多すぎないイメージ映像も曲の解釈のヒントを示すかのようだ。若き日のボス+ダンのステージの映像がさりげなく挿入されているのが良い。
他のエディションのアルバム・アートワークは知らないが、歌詞+ダンに捧げた言葉とともに美しいカラー印刷の頁をめくる構成の出来が秀逸。